タイガー、最大ファンドのファーストクローズで88億ドル調達
ベンチャーキャピタル大手のタイガーグローバルは、過去最大のファンドのファーストクローズで88億ドルを集めた。
要点
ベンチャーキャピタル大手のタイガーグローバルは、過去最大のファンドのファーストクローズで88億ドルを集めた。
タイガーのベンチャーキャピタル部門は、すでに集めた現金の約3分の1を活用しているとブルームバーグが取材した関係者らは語っている。このファンドは100億ドルを目標としている。今回の10月がファーストクローズで、来年3月にファイナルクローズを行う予定だ。
タイガーの従業員は、当初の投資予定額よりも約5億ドル多い約15億ドルを出資した。
パンデミック以降、世界のベンチャー投資は未曾有のブームを迎えており、タイガーはその波を最も効果的に捉えたファンドと呼んでもいいだろう。
タイガーの容赦ないディールメーキングのペースは、未公開テクノロジー企業のブームを反映しており、ベンチャーキャピタルは、タイガー・グローバルが競合他社よりも早く動き、高い価格を提示することで、いくつかの資金調達において主導的な地位を獲得していると指摘していた。The Informationによると、タイガーは第1四半期中、週に平均4件の取引を行っていた。
フィナンシャル・タイムズが入手した投資家への手紙によると、2004年から2020年までの私募ファンドのリターンは、手数料を差し引いて年間26%。これは、過去20年間のタイガー・グローバルのヘッジファンドの年率21%のリターンと比較しても、遜色のないもの。
タイガーはこれまでByteDance、JD.com、Peloton、Flipkartなど代表的なテクノロジー新興企業に投資してきた。
今回の「Private Investment Partners(PIP)15」は、米国、中国、インドのインターネット技術関連の新興企業に投資する。今回の資金調達により、タイガーの運用資産は約950億ドルに到達し、2018年の280億ドルから239%の増加となり、プライベート・エクイティ事業が全体の約3分の2を占めている。
同時にヘッジファンドやロングオンリー事業で350億ドルを運用しているタイガー・グローバルは、ベンチャーキャピタル投資を強化しており、今年は記録的な数のスタートアップを支援している。また、最近、複数のファンドを立ち上げたが、いずれも前のファンドより規模が大きくなっている。3月には67億ドル、昨年初めには37.5億ドルのベンチャーファンドを設立している。
もともとヘッジファンドとしてスタートしたタイガーだが、同社の業績を牽引しているのは間違いなくベンチャーキャピタル/プライベート・エクイティ事業である。過去9つのPIPファンドは、今年初めから9月までに49%の上昇を記録していることが、ブルームバーグが引用した資料からわかった。タイガーのヘッジファンドはその間に5.8%上昇している。
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