アマゾンが倉庫のロボット化を急ぐ理由
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アマゾンが倉庫のロボット化を急ぐ理由

アマゾンを自動化へと突き動かすのは倉庫労働者を確保できなくなることへの恐れであるかもしれない。2024年に同社が雇用できる倉庫労働者のプールが枯渇するとの予測が存在する。

吉田拓史

アマゾンは今週、最新の倉庫用自律走行型ロボット2台を発表した。そのうちの一台であるProteusは倉庫内で大型カートを移動させるための「初の完全自律型移動ロボット」だ。

このロボットは、テクノロジーと人間とのシンプルで安全な相互作用を補う形で動作することができ、例えば、当社の施設内で荷物を移動するために使用される非自動運転の車輪付き運搬車であるゴーカートの持ち上げや移動など、従業員を助けるための幅広い用途を開くことができるという。

もうひとつはCardinalと呼ばれるロボットアームで、最大50ポンドの重さの荷物を持ち上げて移動させることができ、アマゾンは来年にも倉庫に配備したいと考えている。同社によると、120fpsのカメラシステムとコンピューター・ビジョン・システムの組み合わせにより、山積みにされた個々の荷物を見分けて持ち上げることができるという。

アマゾンのロボット部門は、2012年のKiva Systemsの買収によって事実上誕生したものだ。同部門は、フルフィルメントセンターとソートセンターに52万台以上のロボット駆動装置を配備してきた。外から見ると、アマゾンが当日や翌日の配達を目指す上で大きな成功を収め、競合他社が独自のサードパーティロボティクスソリューションを探すようになり、Locus、Fetch、Berkshire Greyといった新興企業が育っている。

アマゾンを自動化へと突き動かすのは倉庫労働者を確保できなくなることへの恐れであるかもしれない。

Recodeが今週報じたアマゾンの2021年調査は「通常通りビジネスを続ければ、アマゾンは2024年までに米国の物流ネットワークで利用可能な労働力供給を枯渇させるだろう」と記述している。

場所によってはもっと早く打撃を受けることになり、アリゾナ州フェニックス都市圏は2021年末までに利用可能な労働力プールを使い果たすと予想されている。カリフォルニア州のインランドエンパイア地域は、今年末までに限界に達する可能性があるとのことだ。

問題は倉庫作業員の平均勤続が約8カ月しかないことだ。年間離職率は150%前後で、米国の小売業や物流業と比較すると2倍以上だ。また、ウォルマートのような企業が経験豊富な倉庫スタッフに時給25ドルを提示し、アマゾンの平均初任給が18ドルである場合、その選択は明らかである、と報告書は指摘している。

アマゾンの労働条件の評判は決していいものではない。昨年、竜巻でアマゾンの倉庫が破壊され、死亡した6人のスタッフのうちの1人は、パートナーにこう書いている。「アマゾンは、嵐が去った後まで私を解放してくれない。今、同社は倉庫の倒壊に関する調査を妨害したとして訴えられている」。アマゾンの倉庫スタッフの間で組合結成運動が急増しているのも不思議はない。

アマゾンは、労働者にもっと給料を払うことは良い考えだと認識しており、調査では、給料が1ドル増えるごとに労働力プールが7%成長すると試算している。時給を1.5ドル上げれば、その2024年の危機を3年先延ばしにすることができる。

しかし、それはあくまでも応急処置に過ぎない。また、この文書では、採用効率を改善しなければならないとしており、現在1人の倉庫の欠員を埋めるために6.7人の応募者を受け入れている。応募者の約9%は、元社員であったり、薬物検査に落ちたり、身元調査に問題があったりして、不採用になっている。

2020年の労働時間が週27時間強の労働力に対して、これを10パーセント増やすことで、11万8,000人の新規採用の必要性を減らすことができるとされた。