ソフトウェア開発のAI化は進展するばかり

大規模言語モデル(LLM)の進化が、ソフトウェア開発を支援するAIの進化を引き起こしている。AIで増強された開発者が受け持てる領域は拡大していくだろう。

ソフトウェア開発のAI化は進展するばかり
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大規模言語モデル(LLM)の進化が、ソフトウェア開発を支援するAIの進化を引き起こしている。AIで増強された開発者が受け持てる領域は拡大していくだろう。


マイクロソフト傘下のソフトウェア開発プラットフォーム であるGitHubは、年次会議で「Copilot Workspace」という新しいシステムを発表した。

GitHub Next | Copilot Workspace
GitHub Next Project: How can developers overcome the high effort of getting started on complex tasks and truly collaborate with AI to make progress quickly?

今回の発表は、AIがコーディングに占める領域を大きく拡張するものだった。Copilot Workspaceのデモでは、ソフトウェア開発者が編集可能なプロジェクト計画案を生成し、最終的な目標に沿ってAIを作業させることができる、というより抽象性の増したAIコーディングが披露された。

ユーザーが課題を伝えると、Copilot WorkspaceがSpecification(仕様)を作成する。それが実装計画を示し、その内容に開発者が同意し「Implement」(実装)を押すとコードが生成される。テクノロジーメディアのPublickeyにその様子が詳しく書いてある。

GitHub、Copilotの将来像となる「Copilot Workspace」発表。人間がコードを書くことなく、Copilotが仕様作成からコード作成、デバッグまで実行。GitHub Universe 2023
GitHubの年次イベント「GitHub Universe 2023」が米サンフランシスコで開幕。同社CEOのThomas Dohmke(トーマス・ドムケ)氏は1日目の基調講演の最後に、GitHub Copilotの将来像となる「Copil…

Githubは、2021年に同社のアクセス可能なコード群を利用した「Github Copilot」を発表した。マイクロソフトの支援を受けるOpenAIによって開発されたクラウドベースの人工知能ツールであるCopilotは主に、開発環境の中で開発者が書いたコードに対して数行のオートコンプリートを提供した。CopilotにはAmazon CodeWhisperer、Google CloudのDuet AI、独立系AIコーディングツールという競争相手がいるが、OpenAIのGPTの躍進と呼応してCopilotはモメンタムを得ているようだ。

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コロナは世界の子どもたちにとって大失敗だった[英エコノミスト]

コロナは世界の子どもたちにとって大失敗だった[英エコノミスト]

過去20年間、主に富裕国で構成されるOECDのアナリストたちは、学校の質を比較するために、3年ごとに数十カ国の生徒たちに読解、数学、科学のテストを受けてもらってきた。パンデミックによる混乱が何年も続いた後、1年遅れで2022年に実施された最新の試験で、良いニュースがもたらされるとは誰も予想していなかった。12月5日に発表された結果は、やはり打撃となった。

By エコノミスト(英国)
中国は2024年に経済的苦境を脱するか?[英エコノミスト]

中国は2024年に経済的苦境を脱するか?[英エコノミスト]

2007年から2009年にかけての世界金融危機の後、エコノミストたちは世界経済が二度と同じようにはならないことをすぐに理解した。災難を乗り越えたとはいえ、危機以前の現状ではなく、「新常態」へと回復するだろう。数年後、この言葉は中国の指導者たちにも採用された。彼らはこの言葉を、猛烈な成長、安価な労働力、途方もない貿易黒字からの脱却を表現するために使った。これらの変化は中国経済にとって必要な進化であり、それを受け入れるべきであり、激しく抵抗すべきではないと彼らは主張した。 中国がコロナを封じ込めるための長いキャンペーンを展開し、今年その再開が失望を呼んだ後、このような感情が再び現れている。格付け会社のムーディーズが今週、中国の信用格付けを中期的に引き下げなければならないかもしれないと述べた理由のひとつである。何人かのエコノミストは、中国の手に負えない不動産市場の新常態を宣言している。最近の日米首脳会談を受けて、中国とアメリカの関係に新たな均衡が生まれることを期待する論者もいる。中国社会科学院の蔡昉は9月、中国の人口減少、消費者の高齢化、選り好みする雇用主の混在によってもたら

By エコノミスト(英国)
イーロン・マスクの「X」は広告主のボイコットにめっぽう弱い[英エコノミスト]

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広告業界を軽蔑するイーロン・マスクは、バイラルなスローガンを得意とする。11月29日に開催されたニューヨーク・タイムズのイベントで、世界一の富豪は、昨年彼が買収したソーシャル・ネットワーク、Xがツイッターとして知られていた頃の広告を引き上げる企業についてどう思うかと質問された。「誰かが私を脅迫しようとしているのなら、『勝手にしろ』」と彼は答えた。 彼のアプローチは、億万長者にとっては自然なことかもしれない。しかし、昨年、収益の90%ほどを広告から得ていた企業にとっては大胆なことだ。Xから広告を撤退させた企業には、アップルやディズニーが含まれる。マスクは以前、Xがブランドにとって安全な空間である証拠として、彼らの存在を挙げていた。

By エコノミスト(英国)