メタのAI研究所からトップ人材が続々離脱
Facebookの親会社であるMetaはメタバースへの軸足を移しつつあるため、今年に入ってからトップ人工知能(AI)研究者を何人か失っている。
Facebookの親会社であるMetaはメタバースへの軸足を移しつつあるため、今年に入ってからトップ人工知能(AI)研究者を何人か失っている。
CNBCの報道によると、関係者やLinkedInの分析に基づくと、Meta AIの少なくとも4人の著名なメンバーがここ数カ月で退社している。その間、科学者たちは世界的に有名な雑誌に数十の学術論文を発表し、MetaがFacebookやInstagramの強化に利用した複数のブレークスルーを成し遂げてきた。
ライバルの研究所DeepMindで働いていたAI研究者のKarl Hermannは、CNBCの番組で、本当の数字は6人以上かもしれないと語り、同社のロンドンのAI研究所では驚くほどの数の退社があったことを付け加えた。「Metaのロンドンオフィスは崩壊し、6週間の間にほとんどの研究者を失った」と彼は言った。
ケンブリッジ大学の機械学習教授であるNeil Lawrenceは、CNBCに対し、「驚いていない」と語った。「マーク(ザッカーバーグ)は今やすっかりメタバースにすべてを投じているし......そもそも彼らはロンドンの何かにきちんと投資したことがない」と彼は言った。
Meta AIの研究技術マネージャーの1人であるHeinrich Kuttlerは、DeepMindの共同創業者Mustafa SuleymanとLinkedInの億万長者Reid Hoffmanが設立した新興企業Inflection AIに加わるため、ここ数週間で退社している。カトラーはDeepMindで2年以上を過ごした後、2019年1月にMetaに入社した。
同社を去った人物には、強化学習として知られるAIの一分野でMetaの取り組みを主導した研究者、Edward Grefenstetteがおり、彼は2月に退社しているという。
また、最近の離職者としては、1月にMetaのリサーチサイエンティストの職を離れ、同じ職でGoogleに入社したAhmad Beiramiがいる。
そして昨年12月には、Douwe Kielaが5年間過ごしたMetaのリサーチサイエンティストの職を離れた。現在はAIスタートアップのHugging Faceで研究責任者を務めている。
他にも多くのMeta AIのスタッフが退職したか、今後数週間のうちに退職する見込みであると、この問題に詳しい人物がCNBCに語ったという。「ある人は、自分のチームの待遇や雇用の可能性が、他の場所の方が良いからということで、行ってしまう。「また、単にスタートアップをしたいとか、小さな会社と関わりたいとかいう人もいる」と語っている。
MetaのチーフAIサイエンティストYann LeCunは、2013年に同社のAIラボを共同設立したが、CNBCにメールで「人々は興味を変え、先に進む」と語った。
Meta AIの今回の退社は、過去2年間における他のいくつかの大きな退社に続くもの。MetaのAIラボの共同創設者であるRob Fergusは、2020年にMetaを退職し、DeepMindに入社してニューヨークにDeepMindチームを立ち上げた。
他にも、Marc'Aurelio Ranzatoは昨年8月にMeta AIのリサーチサイエンティストマネージャーを辞め、DeepMindに入社している。