アマゾン物流網の類まれな拡大

Amazonは物流企業と呼ぶべきレベルに達しており、本業のプレイヤーを凌ぐのも時間の問題だ。これらの変化はパンデミックが更に加速させた。

アマゾン物流網の類まれな拡大
Image via Amazon

要点

Amazonは物流企業と呼ぶべきレベルに達しており、本業のプレイヤーを凌ぐのも時間の問題だ。これらの変化はパンデミックが更に加速させた。


Amazonのグローバル消費者向け事業のCEOであるデイヴ・クラークは11月下旬、同社が2022年初頭までに、長年の配送のライバルであるUPSとFedExを抜いて、米国最大の荷物配送サービスになる見込みであると語った。

クラークはCNBCのインタビューで「今年末までに世界最大級の輸送業者になると予想している。22年初頭とまではいかなくても、年末までにはおそらく米国最大の配送業者になると思う」。

Amazonは2013年のホリデーシーズンに起こった配送問題以来、他社への依存を減らすべく自社配送網を構築してきていた。Amazonの目標は、買い物客の荷物がどのように届くかをより細かく管理することだった。現在、Amazonは、Amazon専用に荷物を配送する何千ものラストワンマイル配送業者を管理しているほか、飛行機、トラック、船の新進の自社ネットワークも持っている。また、荷物を迅速に運ぶことができる倉庫や航空会社のハブを国内に点在させている。

アナリストや投資家は、これらのツールによって、AmazonがUPS、FedEx、U.S. Postal Serviceなどの大手運送会社に匹敵する企業になるだろうと予測してきた。Digital Commerce 360によると、バンク・オブ・アメリカ・グローバル・リサーチは、2019年にはAmazonが自社の荷物の58%を配送し、全米で第4位の配送サービスになると予測している。同研究期間は2020年8月までに、Amazonは自社の荷物の66%を配達していると推定した。

多額の投資による配送の自前化

2014年以降、Amazonは大規模な配送ネットワークを構築するために390億ドルを費やしている。さらに、倉庫や航空機などのキャピタルリースを含めると、2020年にはその投資額は600億ドルにまで膨れ上がったという。

WSJが引用した調査会社ShipMatrixの推計によると、11月中旬の時点で、通常は荷物の最終目的地に近い場所にあるAmazonの物流センターに到着した荷物の98%以上が翌日に届けられていた。

2019年末以降、Amazonはおよそ67万人を雇用しており、グローバルでの従業員数は現在140万人を超えているという。ほぼ同じ期間に、Amazonは物流ネットワークの規模を約2倍に拡大したという。現在、同社は米国内に930以上の施設を持っている。

パンデミック以前の同社は、ほとんどの配送を自社で行うようになっていたが、その傾向は過去18ヵ月間で加速した。Nielsen Consumer LLCの調査によると、今年の第1四半期の時点で、Amazonは自社の荷物の56%以上を配送している。

人手不足のために、Amazonは商品のルート変更を余儀なくされており、第3四半期にはサプライチェーンに関連する追加賃金やその他のコストに20億ドルを費やしている。

陸運だけでなく、海運や空運の機能も追加することにも成功している。Amazonは10月、より多くの港を利用し、コンテナ処理能力を2倍にしたと発表した。また、航空機の保有数は間もなく85機を超える予定だ。

海運アナリストのスティーブ・フェレイラは、11月にCNBCに対し、「ロサンゼルスでは、79隻の船が入港を45日も待っている状態だったが、私が追跡しているAmazonのにを積んだ貨物船は、この2日間、港で2日間待機していた」。

Amazonは、自社の物流網を駆使して、混雑を回避しているという。フェレイラによると、Amazonはワシントンの港に何かを運び、それをロサンゼルスまでトラックで運んでいるそうだ。「ほとんどの人は、ロサンゼルスに船を持ってくればいいと考えるが、そうすると2週間、3週間の遅れが生じる。Amazonは、私が市場に必要だと考えているニッチな戦略を利用している」とフェレイラは言った。

前述のクラークはCNBCへのインビューによると、Amazonは自社のトラックや飛行機を活用するだけでなく、閉塞状況を避けるために新しい港に商品を出荷しているとのことだ。「このようなことは一夜にして起こるものではない。私たちは20年前から物流インフラとそれを支える技術プラットフォームを構築してきたので、今回のパンデミックでは非常に良い状態で臨むことができた」とクラークは語った。

さらに、Amazonは中国で全長53フィート(約16メートル)の貨物コンテナを独自に製造することで、コンテナの供給不足に対応している。現在、コンテナを使用するための待ち時間が長く、価格もパンデミック前の2,000ドル以下から現在は2万ドルにまで高騰している。

前述のフェレイラはCNBCに対してこう語っている。「Amazonは、私が追跡しているこの2年間で、おそらく5,000~10,000個のコンテナを製造した。Amazonがこのコンテナをアメリカ国内に持ち込んで、それを降ろすと、どうなると思うか。そのコンテナは、国内のシステムや鉄道システムで使用される。他の国のように、アジアに戻す必要はない」。

Amazonは2015年に初めて連邦海事委員会に登録し、独自の海上貨物事業を模索し、2017年、アマゾンは中国の子会社を通じて世界的な貨物輸送業者として静かに営業を開始し、「フルフィルド・バイ・アマゾン・プログラム」に参加するためにお金を払う中国の販売者のために商品を運ぶ手助けをした。

ボーイング777型機を改造した飛行機の1機は、22万ポンド(99トン)の貨物を運ぶ。空輸は利益率の高い商品の輸送に使われる。 via amazon,
ボーイング777型機を改造した飛行機の1機は、22万ポンド(99トン)の貨物を運ぶ。空輸は利益率の高い商品の輸送に使われる。 via amazon,

このプロジェクトは、中国の中小規模の輸出業者を対象に、月に1万個以上のコンテナ輸送を行っているという。アマゾンの海上輸送業者としての取扱量は、太平洋横断航路の輸送業者の中でもトップ5に入ると言われている。

利益率の高い商品については、Amazonは港を使わずに、少なくとも10機の長距離機をリースして、少量の貨物を中国から米国に直接、空輸していると言われている。ボーイング777型機を改造した飛行機の1機は、22万ポンド(99トン)の貨物を運ぶことができる。Ocean Auditの試算によると、Amazonなどがチャーターしている1,000コンテナの小型貨物船はその180倍、最大の貨物船では飛行機の3,600倍以上の貨物を運ぶことができる。

一口15万円の投資を受け付け中

1口15万円の投資を常時受け付けます|吉田拓史 株式会社アクシオンテクノロジーズ代表取締役|note
こんにちは、株式会社アクシオンテクノロジーズの代表取締役社長、吉田拓史です。弊社は11月15日をもちまして常時開催型の公募を開始しました。今後は投資家の方々はいつでも弊社に1口15万3,000円で投資できます。 これまで弊社は1口50万円で公募・私募を行ってきましたが、以前からサイズをより細かくしてほしいという要望を頂いていました。 常時開催型の公募のキモは月末〆です。15万3,000円の入札をいただき、それを都度都度、登記する事務コストはあまりにも膨大なため、その月に頂いた入札をすべて月末〆、翌月登記で処理させていただくことで、1口15万円の公募が可能となります。 公募に至るま

クリエイターをサポート

運営者の吉田は2年間無給、現在も月8万円の役員報酬のみ。

BTCアドレス:3EHYZm8hyCRyM1YSrF97dq8a25t5c2wJy9

Betalen Yoshida Takushi met PayPal.Me
Ga naar paypal.me/axionyoshi en voer het bedrag in. En met PayPal weet je zeker dat het gemakkelijk en veiliger is. Heb je geen PayPal-rekening? Geen probleem.
デジタル経済メディアAxionを支援しよう
Axionはテクノロジー×経済の最先端情報を提供する次世代メディアです。経験豊富なプロによる徹底的な調査と分析によって信頼度の高い情報を提供しています。投資家、金融業界人、スタートアップ関係者、テクノロジー企業にお勤めの方、政策立案者が主要読者。運営の持続可能性を担保するため支援を募っています。

Read more

​​イオンリテール、Cloud Runでデータ分析基盤内製化 - 顧客LTV向上と従業員主導の分析体制へ

​​イオンリテール、Cloud Runでデータ分析基盤内製化 - 顧客LTV向上と従業員主導の分析体制へ

Google Cloudが9月25日に開催した記者説明会では、イオンリテール株式会社がCloud Runを活用し顧客生涯価値(LTV)向上を目指したデータ分析基盤を内製化した事例を紹介。従業員1,000人以上がデータ分析を行う体制を目指し、BIツールによる販促効果分析、生成AIによる会話分析、リテールメディア活用などの取り組みを進めている。

By 吉田拓史
Geminiが切り拓くAIエージェントの新時代:Google Cloud Next Tokyo '24, VPカルダー氏インタビュー

Geminiが切り拓くAIエージェントの新時代:Google Cloud Next Tokyo '24, VPカルダー氏インタビュー

Google Cloudは、年次イベント「Google Cloud Next Tokyo '24」で、大規模言語モデル「Gemini」を活用したAIエージェントの取り組みを多数発表した。Geminiは、コーディング支援、データ分析、アプリケーション開発など、様々な分野で活用され、業務効率化や新たな価値創出に貢献することが期待されている。

By 吉田拓史