Aurora Solar、予測アルゴリズムで太陽光パネルの設置を効率化する新興企業

サンフランシスコを拠点とするAurora Solarは、LiDAR(ライダー)センサーデータ、コンピュータ支援設計、コンピュータビジョンを組み合わせてソーラーパネル設置を効率化する会社で、11月30日、5,000万ドルの資金調達を発表した。

Aurora Solar、予測アルゴリズムで太陽光パネルの設置を効率化する新興企業

サンフランシスコを拠点とするAurora Solarは、LiDAR(ライダー)センサーデータ、コンピュータ支援設計、コンピュータビジョンを組み合わせてソーラーパネル設置を効率化する会社で、11月30日、5,000万ドルの資金調達を発表した。同社によると、この資金を活用して、全チームの雇用を加速させ、太陽光発電設置業者や太陽光発電販売コンサルタント向けの新機能やサービスの開発を加速させるという。

最近の不況にもかかわらず、太陽光発電は再生可能エネルギー分野の中では依然として明るい兆しを見せている。米国では、材料コストの低下とオフサイトや屋上設置への関心の高まりにより、2025年までに太陽光発電市場は229億ドルに達すると予測されている。さらに、ソーラーパネルの世界最大の設置業者であり、太陽光発電の最大の生産国である中国では、2年前の同国の総発電量の1.84%が太陽光発電によるものだった。

同社のブログによると、スタンフォード大学を卒業したSamuel AdeyemoとChristopher Hopperは、東アフリカの学校のための太陽光発電プロジェクトで挫折した経験を経て、2013年にAuroraを共同設立した。パネル自体の設置には数週間しかかからなかったが、調査、財務計算、システム設計などの計画を立てるのに半年もかかったという。

そこで2人はSmartRoofを考案した。これを使えば、太陽光発電の設置業者が建設現場の3D CADモデルを作成して、パネルの枚数だけでなく、発電量や省エネ効果を予測することができる。これは、より洗練されているとはいえ、誰もが自宅での太陽光発電の可能性を発見するために使用できる地理的な検索エンジンであるGoogleのProject Sunroofに少し似ている。

SmartRoofは、国立再生可能エネルギー研究所と米国エネルギー省との2年間の開発と検証テストを経て、2015年に発売された。プロセスは、オーロラのCADソフトウェアを使ったモデリングから始まる。設計者は、ライダデータで補強された衛星画像上で屋根の輪郭をトレースし、内蔵のエッジ検出ツールを使用して仕様に合っているかどうかを確認する。そこから、パネルの日射量や太陽の通り道にある障害物(樹木など)をシミュレーションし、そのデータを使って一年の様々な時期の消費電力を推定することができる。

9月にAuroraは、バッテリーバックアップシステムのサイズを決定し、住宅所有者のニーズに基づいて推奨を行うための様々なツールを発表した。このソフトウェアは、ソーラーシステムの発電量、バックアップする負荷の量、選択したバッテリーやインバータの数などを動的に考慮している。

Auroraのプラットフォームでは、モジュール、配線、接続、コンバイナーボックス、グランドマウントなどの部品をドラッグアンドドロップで手動でソーラーパネルサイトをプロットすることも、アルゴリズムを使ってサイトデザインをオンザフライで生成することもできる。どのような方法であっても、Auroraは、結果として得られた3D測定値を2Dの単線図とレイアウト図に変換し、国際電気標準会議(NEC)への適合性を何百ものチェックを行う。

Photo by Science in HD on Unsplash

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