ビッグテック企業の再エネ購入が急増
京セラ株式会社と東京センチュリーリース株式会社の合弁会社である京セラTCLソーラー合同会社が運営する2.3メガワットの浮体式太陽光発電所、2015年5月24日(日)、兵庫県加西市. Photographer: Buddhika Weerasinghe/Bloomberg

ビッグテック企業の再エネ購入が急増

昨年、企業によるクリーンエネルギーの購入は、ハイテク企業に牽引されて急増したことが、BloombergNEFの新しい分析によって明らかになった。

吉田拓史

昨年、企業によるクリーンエネルギーの購入は、ハイテク企業に牽引されて急増したことが、BloombergNEFの新しい分析によって明らかになった。

2021年に企業が購入したクリーンエネルギーは31.1GWという記録的な規模で、これは同年に世界中で新たに導入された再生可能エネルギー容量の10%以上に相当する。企業が結んだクリーンエネルギーの電力購入契約の半数以上は、Amazon、Microsoft、Meta、Googleなどのハイテク大手が結んだものだった。

BNEFが発表した2022年上半期の「Corporate Energy Market Outlook」は、2021年には32カ国で137社以上の企業がクリーンエネルギー契約を公開した。これは、昨年世界で増設された再生可能エネルギー容量の10%以上に相当し、企業の持続可能性に関する誓約がクリーンエネルギーの構築に影響を与えていることを示している。

年間の電力使用量に相当する量のクリーンエネルギーを購入する契約は、企業が100%クリーンエネルギーで事業を運営していると主張するための戦略のひとつだ。しかし実際には、クリーンエネルギーは24時間体制で企業のオフィスや工場に直接供給されているわけではない。電気系統に接続されている再生可能エネルギーがまだ十分ではないため、米企業が結ぶ電力購入契約はほとんどが「バーチャル」なものだ。

バーチャル長期売電契約(バーチャルPPA)は、発電事業者と需要家が直接、長期契約をする点では通常の電力売電契約と同じだ。違いは、電力そのものと環境価値とが別々に取り引きされ、市場などを通して電力が供給される点にある。

日本でも2021年11月より、需要家や仲介事業者の直接参加を可能とした再エネ価値取引市場が開始された。11月のオークションでは2020年度の総約定量を上回る約19億kWhの取引が行われている。

「再エネ価値取引市場について」, 資源エネルギー庁, 2021年11月29日.
「再エネ価値取引市場について」, 資源エネルギー庁, 2021年11月29日.

昨年のGoogleの長期売電契約に関するデータは、企業が汚染を削減しながら、より多くのカーボンフリーエネルギーを電力網に供給できる可能性を秘めた新しい傾向を示している。

Googleはかつて、クリーンエネルギーを購入する企業のトップだったが、Amazon、Microsoft、Metaなど、ハイテク企業以外のいくつかの企業の後塵を拝している。BloombergNEFのレポートによると、Googleは環境目標を達成するために、24時間体制で電力需要とクリーンエネルギーをマッチングさせるという新しい戦略を打ち出している。そのために、Googleは、従来の電力購入契約とは異なる種類の再生可能エネルギーへの投資や契約を模索している。

Googleは、10年後の2020年までに、自社のデータセンターやキャンパスで24時間365日、クリーンエネルギーを調達する計画を初めて発表した。そのためには、新しい技術への投資、「スマートな政策」の推進、そして新しいクリーンエネルギー源の導入が必要だ。例えば、Googleは5月、新興企業のFervoと契約を結び、ネバダ州で新しい地熱プロジェクトを開発した。企業が求めるクリーンな電力源は依然として太陽光と風力だが、24時間365日体制のクリーンエネルギーへの移行に伴い、天候に左右されない地熱や水力、原子力などのカーボンフリーエネルギーへの需要が高まっていると考えられる。

Microsoftは昨年、24時間365日の電力使用量を再生可能エネルギーで賄うという同様の目標を発表した。同社は、2021年にクリーンエネルギーを購入した企業の中で2番目に大きな企業だった。

AmazonはMicrosoftを僅差で破り、2年連続で企業のクリーンエネルギー購入者のトップに立った。BloombergNEFによると、Amazonのクリーンエネルギーのポートフォリオは、全世界のあらゆる企業の中で12番目の規模となっている。

IEA, Top corporate off-takers of renewable power purchase agreements, 2010-2020, IEA, Paris https://www.iea.org/data-and-statistics/charts/top-corporate-off-takers-of-renewable-power-purchase-agreements-2010-2020
再生可能エネルギー電力購入契約の上位企業(2010年~2020年)。IEA, Top corporate off-takers of renewable power purchase agreements, 2010-2020, IEA, Paris https://www.iea.org/data-and-statistics/charts/top-corporate-off-takers-of-renewable-power-purchase-agreements-2010-2020

日本ではAmazonは三菱商事子会社であるMCリテールエナジー株式会社を通じて日本初の再生可能エネルギーを活用した長期売電契約を締結している。この契約では、Amazonは太陽光発電所約450か所(設備容量:総計約22MW)から再エネ電力を調達することが規定されている。

一方、ハイテク企業以外の企業は、クリーンエネルギーへの移行にそれほど熱心ではない。2021年に企業が購入した再生可能エネルギーの総量は前年比で約24%増加したが、クリーンエネルギーを購入する企業の数は全体的に減少している。

毎月70本のハイエンド記事が読み放題の有料購読が初月無料

アクシオンではクイックな情報は無料で公開していますが、より重要で死活的な情報は有料会員にのみ提供しております。有料会員は弊社オリジナルコンテンツに加え、ブルームバーグ、サイエンティフィック・アメリカン、ニューヨーク・タイムズから厳選された記事、月70本以上にアクセスができるようになります。現在、初月無料キャンペーン中。下の画像をクリックしてください。