GPUの歴史 ゲーミングから汎用利用まで
NVIDIAは1999年にGeForce 256を「世界初のGPU」と銘打って売り出した。汎用利用の可能性がGPUの大きな転機になった。
CPUは汎用的な処理を得意とするが、GPUは画像処理に特化している。GPUのCPUとの違いは並列処理にある。逐次処理用に最適化された数個のコアから成るCPUに対して、GPUは複数のタスクに同時に対応できるよう設計された何千ものより小さく、より効率的なコアで構成されているのだ。
GPUはCPUから描画情報を受け取ると、頂点処理、テクスチャの参照やピクセル単位での照明計算を含むピクセル処理などを実行し、画面に出力するという手順を即座に進める。頂点処理やピクセル処理は高い並列性という特性がある。
「GPU」という用語はNVIDIAによって広く普及した。NVIDIAは1999年にGeForce 256を「世界初のGPU」と銘打って売り出した。実際には1976年のRCA Studio II、1977年のAtari 2600に「ビデオチップ」が搭載されておりこれが最初の画像処理チップと考えられる。ゲーミングや映画でCG映像の使用の拡大とともにGPUは市場を広げてきた。その後もGPUは劇的に性能向上を続けていたが、市場がそれに追いつかなかった。3Dゲームだけが、その性能を使い切ることができた。
画像処理から汎用利用への拡張は2007年に起きている。2007年にNVIDIAによってCUDAが一般公開されると、多くのユーザーが高い演算性能を安価に得られる新たな並列計算ハードウェアとしてCUDAに興味を示し、GPGPU(GPUを利用して汎用演算をすること)の研究が広く注目を集めることとなった。CUDAは現在NVIDIA製GPUに対して最も低いレイヤーでアクセスすることが可能なプログラミング環境であり、適切に利用することでGPUの持つ性能を引き出すことができる。AMDも2008年にATI Stream SDK(AMD Stream SDK) とBrook+からなる開発環境の一般公開を開始した。
GPUの性能はCPUを超える速度で向上している。HPC(ハイパフォーマンス・コンピューティング)の要求に応えグラフィックスだけでなくGPGPUのための性能も向上している。NVIDIAは高価格路線のディスクリートGPUに重点的に投資し、HPCの興隆とともに著しく成長した。AMDも低価格帯の混載型GPUに活路を見出したが、NVIDIAほどの成功を収められなかった。
そして最もGPUの需要を刺激したのは、機械学習である。これは次のブログで説明しよう。
Image via Nvidia's Twitter account
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