CATL、航続距離700キロ以上ターゲットの「M3P電池」を来年投入へ

寧徳時代新能源科技(CATL)の呉凱チーフサイエンティストは7月22日、同社が主催するカンファレンスの「世界動力電池会議」で、同社のM3P電池が量産され、来年から市場投入されると述べた。

CATL、航続距離700キロ以上ターゲットの「M3P電池」を来年投入へ
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寧徳時代新能源科技(CATL)の呉凱チーフサイエンティストは7月22日、同社が主催するカンファレンスの「世界動力電池会議」で、同社のM3P電池が量産され、来年から市場投入されると述べた

M3P電池は「CATLが新材料システムに基づいて開発した電池で、リン酸鉄リチウムよりエネルギー密度が高く、三元系リチウム電池よりコストに優れている」とされている。

M3P電池は、主に航続距離700km以上の市場をターゲットにする、と呉は言った。

「M3P電池は、LFPのオリビン構造を基本格子構造とし、マグネシウム、亜鉛、アルミニウムなどの金属元素のうち2つを使い、いくつかの点で鉄を置き換えたものだ」と、中国証券報が引用した申港証券は最近のリサーチノートのなかで明らかにしている。M3P材料のコストは高ニッケル含有三元系リチウムイオン電池よりかなり低く、低・中級モデルで幅広い応用の見通しがあると付け加えた。

22日のカンファレンスでのプレゼンテーションで、CATLのRobin Zeng会長も、同社がM3P電池を開発していることに言及したが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。

CATLはM3P電池について今年2月にIR情報の一環として発表している。CATLは「CATLは新製品M3Pを発売する計画で、正確にはリン酸リチウムマンガン鉄ではなく、他の金属元素も含まれており、我々は『磷酸盐体系的三元』と呼んでいる」と明らかにしていた。

7月12日のLatePostによると、CATL、Sunwoda、Eve EnergyのLMFP(リン酸マンガン鉄リチウム)電池は今年前半の中間テストに合格し、現在は自動車会社にサンプルを送ってテストしてもらっているという。

中国自動車電池革新連盟が7月11日に発表したデータによると、CATLは中国最大の動力電池メーカーで、6月の中国での電池搭載量は1340万Wh、シェアは49.6%だった。

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