Google、新型検索を開発中 サムスンのBing採用の動きで社内に衝撃
Googleは新型検索を開発しているようだ。並行して既存の検索を支援するAIを5月に発表する。世界最大級のスマホメーカー、サムスンがデフォルト検索をBingに乗り換えるか検討しており、切迫感が伝わってくる。
Googleは新型検索を開発しているようだ。並行して既存の検索を支援するAIを5月に発表する。世界最大級のスマホメーカー、サムスンがデフォルト検索をBingに乗り換えるか検討しており、切迫感が伝わってくる。
サムスンは、Galaxy端末のデフォルト検索をMicrosoftのBingに移行することを検討している、とニューヨーク・タイムズは報じた。
Googleは3月に、サムスンがGalaxy端末のデフォルト検索エンジンをBingにするためにマイクロソフトと交渉中であることを知り「パニック」に陥ったとされる。
サムスンのデフォルトがBingに転換すれば、Googleのビジネスは衝撃を受けるだろう。サムスンは台数ベースで世界最大の携帯電話メーカーである。調査会社Counterpointのデータによると、2022年第4四半期時点で、全世界の出荷台数の市場シェア2位(19%)、2021〜2022年の8四半期のうち5四半期で首位だった(図表参照)。
デフォルト検索の地位は、サービスにトラフィックを呼び込むためにあまりにも重要である。Googleは、世界中で使用されている10億台以上のiPhoneやその他のApple製デバイスのデフォルト検索となるために巨額を支払っている。バーンスタインのアナリストは、2021年に支払い額は年間150億ドルに達したとし、2022年には年間180億~200億ドルに達する可能性があると推定したことがある。
この契約を焦点に独占禁止のかどでGoogleを提訴した司法省は、訴状のなかで、Appleに年間最大120億ドルを支払っていると主張した。Googleのこのような巨額の支払いは他の検索製品を競争から排除するのに役立っているというのが司法省の論理だった。
Googleとサムスンは、サムスンのAndroidカスタマイズをめぐって以前から衝突していた。音声アシスタントを巡っては、SamsungはBixbyを顧客にとって最も利用しやすい選択肢にしようと専用ボタンを搭載したが、GoogleはGoogle Assistantを採用するよう求めていたとブルームバーグは報じていた。
全く新しい検索エンジン
Googleは、新しいAI技術を搭載した「全く新しい検索エンジン」の構築を進めているという。「新しい検索エンジンは、同社の現在のサービスよりもはるかにパーソナライズされた体験をユーザーに提供し、ユーザーのニーズを先取りすることを試みる」とニューヨーク・タイムズは報じている。
新しい検索エンジンは、「ユーザーが何を検索しているかに基づいて、ユーザーが何を知りたいかを学習する」。さらに、「買うべきモノ、調べるべき情報など、あらかじめ選択された選択肢のリストを提供する」ようになるという。
同時にプロジェクト名「Magi」として、現在の検索エンジンにAIに基づく新しい機能を追加する作業も行っているそうだ。 Googleでは現在、160人以上のデザイナー、エンジニア、幹部、その他のスタッフがMagiに取り組んでいる。先週、従業員はGoogleの検索エンジンに搭載されるMagiのテストに招待されたという。年次開発者イベントが開催される2023年5月に。ローンチされる可能性がある。このローンチでは、Magiは限られた機能でほぼ裸の状態で登場し、この秋にはより多くの機能が登場する予定だという。
Magiは、検索者が靴の購入や航空券の予約などの取引を完了できるようにするとのことだ。これは、検索者が金融取引を完了できるようにするもので、現在Google検索が莫大な利益を上げている既存の検索広告を取り入れながら、すべてを行うことができる。
これらの変更により、検索者は「ソフトウェアのコーディングや、ユーザーのリクエストに基づいたコードの記述」に関する質問に答えることができるようになる。「文書によると、Googleはコードの回答の下に広告を配置する可能性がある」と報道は付け加えている。