Harmony OS(鴻蒙OS)は、Huaweiとハイシリコンによって開発中のオープンソースとして公開予定のマイクロカーネルベースのオペレーションシステム(OS)。AndroidやiOSとの正面からの競争を開始したように見えたが、米国の制裁が海外市場での業績に影響を与える中で、Harmony OSは第3のモバイルOSの座を狙い続けるだろうか。

2019年8月に中国・東莞市で開催されたグローバル開発者大会で、HuaweiはHarmonyOSを今後3年かけてウェアラブルなど他のデバイスでも動作するように拡張していく計画を発表した。それまでは、HarmonyOSがスマートフォン向けのOSになるか、モノのインターネットデバイス向けのOSになるかは不明だったが、様々なフォームファクタ上で動作するように設計されてきたという。

発表されたロードマップによると、HarmonyOS 1.0は、まず2020年後半に発売予定のスマートスクリーン製品に採用される。今後3年間でHarmonyOSは最適化され、ウェアラブルやHuawei Vision、愛車のヘッドユニットなど、より幅広いスマートデバイスに徐々に採用されていく計画だ。HarmonyOSをオープンソースのプラットフォームとして全世界に公開し、オープンソース財団とオープンソースコミュニティを設立する予定だという。

Harmony OSは現在、マイクロカーネル、LiteOS、Linuxカーネルを内蔵し、主にIoTデバイスに対応しているが、AndroidアプリやWebアプリとの互換性があり、スマートフォンにも対応できる。つまり、同社の国内向けスマートフォンのOSは、短期間でアンドロイドからHarmonyOSへの切り替えが可能だとされている。

しかし、アプリケーションなどのエコシステム構築は難しい。GMS(Google Mobile Services)の供給が絶たれて以降、Huaweiの海外市場での業績は低迷している。HuaweiはApp Gallaryを投入し、主に中国のベンダーの提供するアプリへの門戸を開いているが、Gメール、Googleマップ、Youtube、アプリストアのGoogle Playなどに対する海外ユーザーの依存度は高く、こうした習慣を変えるのは簡単ではない。

HuaweiのHarmonyOSをめぐる態度は、貿易戦争やユーザーの状況を折り込みながら流動的に揺れ動いている。HarmonyOSは、テレビやスマートスピーカーからIoTデバイスやウェアラブルまで、あらゆるものに対応するように設計されたクロスデバイスOSとされている。Huaweiは以前、このプラットフォームがスマートフォンにも対応することを確認していたが、同社の創業者である任正非(Ren Zhengfei)は、HarmonyOSがAndroidやiOSのライバルだとは考えていないと発言したことがある(2020年4月)。

Huawei Consumer Business GroupのCEOである余承東(リチャード・ユー)は、Mynaviのインタビューに対し、米政府の規制によるGMS(Google Mobile Service)の使用禁止にともなって、Harmony OSをスマートフォン向けに使用するかどうかを問われ、「Androidエコシステムへのサポートを継続したい」と発言している。Harmony OSはスマートTVやIoT向けであり、スマートフォン向けではないと話したという。「正直に言えば、Harmony OSをスマートフォンに搭載することを検討している」とYu。その時期について問われて「今年のQ3からQ4には決めたい」と話している。

参考文献

  1. "Huawei's new operating system is called HarmonyOS". Huawei. Aug 09. 2019.
  2. "Huawei Launches New Distributed Operating System, HarmonyOS". Huawei. Aug 09. 2019.