米エネルギー省のスーパーコンピューター「オーロラ」の開発が遅延しているとニューヨーク・タイムズ紙が報じた。インテルの7nm(ナノメートル)のチップ製造が難航していることが主な要因とされる。

2019年、米国エネルギー省は、気候モデリング、医学研究、核相互作用の計算などに人工知能の飛躍的な進歩をもたらすとされる5億ドルのオーロラ・スーパーコンピュータのプロセッサ・サプライヤーとしてインテルを選択した。オーロラは、1エクサフロップスの計算能力のしきい値を超える世界初のコンピュータになる可能性を秘めているとされた。しかし、今回の遅延を考えると、中国は米国を置いてけぼりにする可能性が高い。

インテルは7月の四半期報告書で、7nmプロセス技術の実装に向けた社内計画から最大12カ月遅れていると述べた。これは、その後、時価総額で約500億ドルを失ったインテルにとって大きな後退であった。設計と製造の分離が進む中、インテルは、まだ自社でチップを製造している米国では数少ない企業の一つだ。AppleやNvidia、AMDなどの他の大手メーカーは、チップ製造を現在最も進んだ製造設備を持つSamsungやTSMCに外注している。

しかし、インテルもまた、最大12ヶ月の遅延に直面した際には他社が所有するファウンドリーを使用して最先端のチップを製造する可能性があることを示唆した。

米軍の人工知能利用計画は、半導体産業が重要な役割を果たすことを期待している。米陸軍がランド社に依頼した調査によると、米国は2020年初頭の時点で、人工知能の分野で中国をわずかに上回っているにすぎない。これは、中国企業が米国の開発に大きく依存し続けているだけでなく、韓国や台湾の製造施設にも大きく依存しているからに他ならない。報告書はまた、米国の軍事戦略におけるAIの重要な役割を強調している。同報告書は、人工知能を用いた中国の軍事システムや兵器に対する優位性を維持することは、米国が国家レベルでAIの分野で中国に対する優位性を維持できるかどうかに直接依存していると論じている。

オーロラの明白な挫折と相まって、米国がAI研究開発のためのテック企業への補助金を大幅に増加させる可能性が高くなっている。ちょうど先週、トランプ政権はインテルとマイクロソフトによるAIや量子コンピューティングの研究に焦点を当てた10億ドルの補助金プログラムを発表した。

この種のプログラムは、米政府が太平洋地域での投資活動を綿密に監視していることから、今後も頻繁に実施されることが予想される。7月初旬には、中国の国営の投資ファンドが、中国のサムスンとTSMCに代わる実行可能な代替品を生み出すために、地元のチップメーカー SMICに66億ドルの価値がある資金を提供した。

米国議会はこの夏、国内のチップ製造をさらに促進する計画について、超党派の珍しい合意に達した。提案されている法案には、米国の新規チップファウンドリーへの最大30億ドルの助成金が含まれており、TSMCが最近提案したアリゾナ州の工場が候補に挙がっている。

ファウンドリーがスーパーコンピューターでより大きな役割を果たすようになったのには、いくつかの理由がある。1つは、数年前までは工場を所有することをやめたチップ設計者の成功である。

インテルのライバルであるアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は、テネシー州のオークリッジ国立研究所とカリフォルニア州のローレンス・リバモア国立研究所にある他の2つの計画されている超大規模システム用のチップを作るためにTSMCを使用することを計画している。このファウンドリーでは、最近世界のスピードの頂点に立った日本のシステム、富嶽(Fugaku)のチップも製造している。

インテルは2019年だけでも、工場や設備に160億ドル、研究開発に130億ドルを費やした。一部のアナリストは、スワン氏が一部の工場を売却するか、TSMCやサムスン、アブダビの投資家が所有する米大手ファウンドリー「Global Foundries」と提携するなど、コスト削減の選択肢を探る可能性があると予測している。

Image: Argonne National Laboratory