コンピューティング
コンピューティングの電力消費量は英国並み、改善できる?[英エコノミスト]
「最初に気になるのは、その静寂さです」とフィンランド科学センターのボス、キンモ・コスキは言う。北極圏の南250km、フィンランドのカヤーニという町にあるヨーロッパで最も強力なスーパーコンピューター、LUMI(フィンランド語で「雪」を意味する)について、コスキ博士はこう語る。 昨年完成したLUMIは、気候モデリングから新薬の探索まで、あらゆる用途に使用される。数万個のプロセッサーを搭載し、毎秒429兆回の計算が可能だ。これは世界で3番目に強力なスーパーコンピューターとなる。水力発電で電力を供給し、その廃熱をカヤーニの家庭の暖房に利用しているため、二酸化炭素の排出量もマイナスである。 LUMIは、専用スーパーコンピューターとインターネットの多くを動かすクラウドインフラの両方で、ハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)の未来を垣間見せてくれる。過去10年間、機械学習、ゲノム解読、株式市場や核兵器から気象まであらゆるもののシミュレーションといった技術によって、HPCの需要は急増してきた。このようなアプリケーションは、投げられるだけのコンピューティング・パワーを喜んで消費するからだ。