LG化学電池部門、EV向け競争のため8兆円上場へ
LG化学電池部門がスピンオフで8兆円上場目論んでいる。上場で得られる100億ドルは、EV向け電池シェア首位のCATLとの熾烈な競争を生き残るために大規模生産設備に投じられる計画だ。
要点
LG化学電池部門がスピンオフで8兆円上場目論んでいる。上場で得られる100億ドルは、EV向け電池シェア首位のCATLとの熾烈な競争を生き残るために大規模生産設備に投じられる計画だ。
11月中旬、2023年までに1,000億ドル規模の電気自動車(EV)のIPOの波が押し寄せるとバンク・オブ・アメリカが発表した。同社は「バッテリーから充電器まで、この分野への投資が拡大しているため、企業は部門を分離上場したり、株式を公開したりするでしょう」「EV、電池、充電のバリューチェーン全体で最大1,000億ドルのIPO資金が調達される波にすでに突入」と主張した。
来年、EV、電池、充電のバリューチェーンで最大で、すべてのIPOの中でも最大規模のIPOとなる可能性があるのが、韓国のLG化学の電池部門であるLGエネルギーソリューション(LGES)のスピンオフだ。同社は上場では約100億ドルの資金調達が見込まれている。
LGESは当初、6月に上場審査用の書類を提出していたが、LG電池を搭載したGMのEV「シボレー・ボルト」が相次いで火災に見舞われたため、その後数ヶ月間、審査が中断されていた。これを受けて電池メーカーの親会社であるLG化学の株価は8月に急落した。LGESと電池モジュールを供給したLG電子は、シボレー・ボルトのリコール費用として1兆4,000億ウォンをGMに支払うことでリコール問題を解決した。
The Korea Timesの報道によると、この電池メーカーのバリュエーション(企業価値)は、75兆ウォン(約7兆円)から80兆ウォン(約7.75兆円)の間で計算されている。この範囲は、電池の発火問題を受けて数ヶ月前に行われた100兆ウォンの市場予測から引き下げられている。
企業価値は、EV向け電池首位の中国のCATLなどのライバル企業の時価総額を考慮しているが、CATLの時価総額が1.57兆元(約28.4兆円)であることを考慮すると、今回の計算は保守的であると考えられている。
市場調査会社のSNEリサーチが10月28日に発表したところによると、LGエネルギーソリューションは、46.5GWhで23.8%の市場シェアを記録した。1ヶ月で0.7ポイント低下した。これに対し、CATLは1カ月で0.9ポイント増の31.2%のシェアを記録。3位はパナソニック、4位はBYDで、それぞれ13.3%、7.9%。
LGグループは11月1日、クォン・ヨンス前グループ副会長をLGESのCEOに任命した。クォンは2012年から2015年まで当時LG Chemのバッテリー部門であったLG Energyを率いていた。彼のリーダーシップのもとLGESの自動車メーカーの顧客数は20社へと倍増した。
LGESは、パートナーである自動車メーカーとの間で大規模な生産施設を設立する必要があるため、株式市場への上場を成功させることが必須条件となっている。
親会社のLG化学は2025年までに10兆ウォン(87億ドル)を投じて、電池材料事業やその他のビジネスラインの「持続可能な成長」を加速させると発表したが、この上場での調達は重要な原資の一つになるだろう。
電池問題はLGESの企業価値にとって引き続きリスクとなっている。LGESは現在1位のCATLと世界の電池市場でトップを争っている。
LGESは、GMとの提携のほか、最近では、JeepやFiatなどのブランドを傘下に持つ世界第6位の自動車メーカーであるStellantisと提携し、米国に電池工場を設立した。
米国以外では、LGESは現代自動車グループと提携し、2023年までにインドネシアのカラワンに電池生産工場を建設している。
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