メタ、超党派の追及を避けるため民主党と共和党の対立を煽る

メタは民主党と共和党の対立を先鋭化することで、同社に対して行われると想定される超党派の追及を無力化する政治工作をワシントンで繰り広げていたようだ。

メタ、超党派の追及を避けるため民主党と共和党の対立を煽る
Photo by Dima Solomin on Unsplash

要点

メタは民主党と共和党の対立を先鋭化することで、同社に対して行われると想定される超党派の追及を無力化する政治工作をワシントンで繰り広げていたようだ。


ここ数年、メタ(旧フェイスブック)は民主党の政策立案者たちと不仲だった。民主党議員はメタがロシアの工作員をソーシャルネットワーク上で暴れさせてドナルド・トランプの2016年の大統領選での勝利を確実なものにしたと非難していた。メタのワシントンでの活動に関する12月下旬の2つの記事は、この不信感がすぐには解消されないことを示唆している。

ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、元Facebookスタッフのフランシス・ホーゲンがリークした内部調査に基づく記事を同紙が掲載した後、メタのワシントンスタッフが民主党と共和党を対立させようとした経緯を詳細に報じた

メタの公共政策担当者(ロビイング担当者)は、反発を抑えるために、共和党の政策担当者に、ホーゲンは本当は民主党を助けようとしていたのだと伝え、その主張は保守系出版物にも掲載された。このキャンペーンの目的は、超党派で高まる会社への処罰要求を阻止するために、分裂を引き起こすだという。

このような政治的な陰謀は、特に驚くことではない。実際、このエピソードは、2018年にケンブリッジ・アナリティカの内部告発者がリークした後の、フェイスブックがとった工作の控えめなバージョンのようなものだ。

当時のニューヨーク・タイムズ紙の記事によると、フェイスブックの要請を受けた保守系調査会社Definers Public Affairsは、億万長者のジョージ・ソロスが反フェイスブックグループをひそかに支援していると非難し、それらのグループと実業家との間にある疑惑の金銭的つながりを調べるよう促す調査報告書を記者たちに配布した。

英中央銀行を破綻させたファンドマネージャーであり、アジア通貨危機への関与も取り沙汰されるソロスは、保守派の一部が傾倒する「QAnon」(Qアノン)のような陰謀論の中で、様々な陰謀の中核にある人物とされている。この陰謀論をフェイスブックは利用した。

しかし、WSJの記事は、メタの戦略には一定のコストがともなっていることを示している。メタはロビー活動チームを率いるトップの民主党員を1年かけて採用しようとしていたが、何人かの有名な民主党員がその役割を辞退したため、その努力を放棄した。代わりにメタは、これまで同社のロビー活動のトップを務めていた共和党員がその職を再開すると発表した。

今のところ、メタと共和党の強い結びつきは、同社のビジネスに悪影響を与えていないようだ。メタの株価は、一連の内部告発の最初の報道から9%下落したものの、バイデンが大統領選挙に当選してからは30%上昇している。

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