仕事の質の低迷 先進国から中等スキルの仕事が減っている

先進経済の大半で雇用の規模は拡大していますが、質の高い仕事は余り増えず、質の低い仕事が増えています。圧縮されているのは中等スキルを要する中流の仕事です。

仕事の質の低迷  先進国から中等スキルの仕事が減っている

仕事の世界は、技術の進歩、グローバル化、人口の高齢化に対応して変化しています。さらに、新しい組織のビジネスモデルと進化する労働者の好みは、新しい仕事形態の出現に貢献しています。先進経済の大半で雇用の規模は拡大しています。米国は金融危機以来、1400万人の雇用を追加しましたが、課題は、それらの仕事の多くが良い仕事ではないことでした。そう仕事の質(あるいは雇用の質)が専門家の関心を買っているのです。

米国および先進国の大部分での雇用の伸びは、バーベルのような両極端な構造になりました。一方では、医師や看護師、プログラマーやエンジニア、マーケティングおよびセールスマネージャーのような高学歴で高賃金の仕事があります。これらの仕事において雇用の成長は堅調です。同様に、飲食、クリーニング、セキュリティ、在宅医療支援など、多くのスキルの低い、教育レベルの低い雇用でも、雇用の成長は堅調です。同時に、ブルーカラーの生産と運営職、ホワイトカラーの事務職と営業職など、多くの中等の教育水準、中間的な賃金を伴う中流階級の仕事において、雇用が縮小しました。

これらの中等の仕事の多くは、ソフトウェアで体系化され、コンピューターで実行できる、ルールと手順を使用しています。この現象が引き起こす課題は、経済学者が雇用の二極化と呼んでいるもので、中産階級の規模を縮小し、私たちをより階層化された社会にしてしまうものです。一方では、非常に興味深い仕事をしている高給で教育水準の高い専門家のグループが生まれ、他方では、富裕層に傅くことが第一の責任である、低賃金の仕事に従事する多数の市民が生まれます。

The Russell-Sage Journal of the Social Sciencesで2019年の9月に出版された、David R. Howell, Arne L. Kallebergによる "Declining Job Quality in the United States" によると、18歳から34歳の貧困線以下の賃金(2017年のしきい値は時給13.33ドル)の仕事に就く若い労働者の割合は、1979年の31.5%から2017年末の42.8%に増加しました。大学の学位を持たない若い男性労働者のなかで、貧困線以下の賃金を受け取る人の割合は、1979年の26.6%から2017年の50.9%に上昇し、38年で倍増しています。大学の学位を取得していない若い女性労働者に対する、貧困線以下の賃金の仕事の発生率ははるかに高く、1979年の51.8%から66.4%へとゆっくりと成長しています(伸びは主に2000年代初期以降にもたらされました)。

経済学者や法学者、投資銀行家のグループは最近、仕事の質を追跡することを目的とする新しい指標であるThe U.S. Private Sector Job Quality Index(米民間部門の仕事の質指数 = JQI)を発表しました。 JQIは、研究者が「高品質な仕事」と「低品質な仕事」と呼んでいるものの比率を、その仕事が平均的な収入より多いか少ないかに基づいて測定します。

1990年1月から2019年10月までのThe U.S. Private Sector Job Quality Index via https://www.jobqualityindex.com/

2019年10月時点でJQIはわずか81に過ぎません。これは、100の低品質ジョブごとに81の高品質ジョブがあることを意味します。JQIの30年間の最低値である2012年初頭からわずかに改善されていますが、住宅市場がクラッシュする前夜である2006年から、下降傾向を保っています。

この状況は米国に留まりません。OECDの「OECD Employment Outlook 2019」によると、過去10年間で、OECD諸国の多くの先進国経済で高等教育を受けていない若者の労働市場の状況は悪化しており、失業率や、就業中の場合でも低賃金が増加しています。これらの変化は、景気後退の短命の産物であるとは考えにくいため、今後数年間で重大な政策課題が発生します。ジェンダーの観点から、多くの国で男性は失業率と不完全雇用が増加しています。しかし後者は女性の間でより広く普及しており、女性は低賃金の仕事に就いている可能性が高いのです。

Photo by Amos Bar-Zeev on Unsplash

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新たなスエズ危機に直面する米海軍[英エコノミスト]

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世界が繁栄するためには、船が港に到着しなければならない。マラッカ海峡やパナマ運河のような狭い航路を通過するとき、船舶は最も脆弱になる。そのため、スエズ運河への唯一の南側航路である紅海で最近急増している船舶への攻撃は、世界貿易にとって重大な脅威となっている。イランに支援されたイエメンの過激派フーシ派は、表向きはパレスチナ人を支援するために、35カ国以上につながる船舶に向けて100機以上の無人機やミサイルを発射した。彼らのキャンペーンは、黒海から南シナ海まですでに危険にさらされている航行の自由の原則に対する冒涜である。アメリカとその同盟国は、中東での紛争をエスカレートさせることなく、この問題にしっかりと対処しなければならない。 世界のコンテナ輸送量の20%、海上貿易の10%、海上ガスと石油の8~10%が紅海とスエズルートを通過している。数週間の騒乱の後、世界の5大コンテナ船会社のうち4社が紅海とスエズ航路の航海を停止し、BPは石油の出荷を一時停止した。十分な供給があるため、エネルギー価格への影響は軽微である。しかし、コンテナ会社の株価は、投資家が輸送能力の縮小を予想している

By エコノミスト(英国)
新型ジェットエンジンが超音速飛行を復活させる可能性[英エコノミスト]

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1960年代以来、世界中のエンジニアが回転デトネーションエンジン(RDE)と呼ばれる新しいタイプのジェット機を研究してきたが、実験段階を超えることはなかった。世界最大のジェットエンジン製造会社のひとつであるジー・エアロスペースは最近、実用版を開発中であると発表した。今年初め、米国の国防高等研究計画局は、同じく大手航空宇宙グループであるRTX傘下のレイセオンに対し、ガンビットと呼ばれるRDEを開発するために2900万ドルの契約を結んだ。 両エンジンはミサイルの推進に使用され、ロケットや既存のジェットエンジンなど、現在の推進システムの航続距離や速度の限界を克服する。しかし、もし両社が実用化に成功すれば、超音速飛行を復活させる可能性も含め、RDEは航空分野でより幅広い役割を果たすことになるかもしれない。 中央フロリダ大学の先端航空宇宙エンジンの専門家であるカリーム・アーメッドは、RDEとは「火を制御された爆発に置き換える」ものだと説明する。専門用語で言えば、ジェットエンジンは酸素と燃料の燃焼に依存しており、これは科学者が消炎と呼ぶ亜音速の反応だからだ。それに比べてデトネーシ

By エコノミスト(英国)
ビッグテックと地政学がインターネットを作り変える[英エコノミスト]

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今月初め、イギリス、エストニア、フィンランドの海軍がバルト海で合同演習を行った際、その目的は戦闘技術を磨くことではなかった。その代わり、海底のガスやデータのパイプラインを妨害行為から守るための訓練が行われた。今回の訓練は、10月に同海域の海底ケーブルが破損した事件を受けたものだ。フィンランド大統領のサウリ・ニーニストは、このいたずらの原因とされた中国船が海底にいかりを引きずった事故について、「意図的なのか、それとも極めて稚拙な技術の結果なのか」と疑問を呈した。 海底ケーブルはかつて、インターネットの退屈な配管と見なされていた。現在、アマゾン、グーグル、メタ、マイクロソフトといったデータ経済の巨人たちは、中国と米国の緊張が世界のデジタルインフラを分断する危険性をはらんでいるにもかかわらず、データの流れをよりコントロールすることを主張している。その結果、海底ケーブルは貴重な経済的・戦略的資産へと変貌を遂げようとしている。 海底データパイプは、大陸間インターネットトラフィックのほぼ99%を運んでいる。調査会社TeleGeographyによると、現在550本の海底ケーブルが活動

By エコノミスト(英国)