9月1週のニュースまとめ

米司法省反トラスト局はAlphabet傘下のGoogleによるデジタル広告ビジネスを巡り、同社を相手取った2件目の独占禁止法訴訟を準備。事情に詳しい関係者1人がBloombergに対し明らかにした。

9月1週のニュースまとめ

今週のトップニュース

米司法省反トラスト局はAlphabet傘下のGoogleによるデジタル広告ビジネスを巡り、同社を相手取った2件目の独占禁止法訴訟を準備。事情に詳しい関係者1人がBloombergに対し明らかにした。

米国・欧州

  1. Amazonは1日平均164便の空輸便を米国内で電子商取引大手の在庫を移動するために使用している。8月にはシンシナティに80万平方フィートのハブを開設。UPSやFedExなどと競合する運送業者となりつつある。
  2. YouTubeの有料音楽ストリーミングサービスの登録者数が5,000万人に達した。YouTubeが昨年10月に報告した3,000万人の加入者と比較して著しく増加しており、月額10ドルの「YouTube Music」や月額12ドルの「YouTube Premium」に対する需要の高まりを反映
  3. SEC(米国証券取引委員会)のゲイリー・ゲンスラー委員長は仮想通貨取引所やDeFiプラットフォームが規制に適合しない限り事業の存続を危険にさらしていると警告。95%の仮想通貨が懐疑的にならざるを得ない怪しげな通貨とした。
  4. Nikkei Asiaが関係者の話として報じたところによると、Googleは同社のChromeオペレーティングシステムを搭載したChromebookやタブレットに、2023年頃から自社製のCPUを採用する予定だ。Google社は現在、ChromebookにIntelやAMD製のCPUを使用。
  5. Appleは従業員が同一労働同一賃金について話し合うためのSlackチャネルを作成することを禁じている、とThe Vergeが報じた。Appleの人事部はこの話題は同社のSlack利用規約を満たしていない、と述べたという。
  6. ニューヨーク・タイムズが、Facebookの有害なコンテンツを審査する仕事の最大請負業者であるアクセンチュアの現役および元社員等40人以上への調査を行った。調査報道はこの仕事が原因で、うつ病や不安症などの精神的な悪影響を受けたというこれまで表面化してきた複数の証言を裏付けるものだった。
  7. RISC-Vベースの半導体を設計するベンタナマイクロシステムズは2018年の創業以来のステルスを脱し、シリーズAラウンドとBラウンドで5,300万ドルの資金を確保した。64ビットRISC-Vプロセッサの最初のサンプルは、来年後半に顧客と共有され、2023年前半に量産される計画。
  8. Appleは、クラシック音楽のストリーミングサービス「プライムフォニック」の運営企業を買収することを8月30日に明らかにした。買収条件は明かしていない。
  9. ヒューレットパッカードは米国国家安全保障局(NSA)と20億ドルの契約を結び、同社のGreenLakeプラットフォームを利用したハイパフォーマンス・コンピューティング・アズ・ア・サービス(HPC as a serviice)を提供する。

中国・アジア

  1. 中国の規制当局は、Didi Chuxing(滴滴出行), 料理宅配Meituan(美団), 吉利傘下のCaocao等のギグエコノミー企業11社の代表者を召喚し、不正競争、データセキュリティ、違法労働などの問題について警告。消費者や労働者の待遇を改善する計画を4カ月以内に作成するよう指示
  2. 中国の保険最大手、中国平安保険(集団)やフードデリバリーの美団、国有の中国銀行など少なくとも73社が先月31日までの2週間で、上場先の香港や上海、深圳の証券取引所に提出した株主向けの資料で習近平国家主席が提唱する「共同富裕」に触れたらしい。
  3. 中国政府は6月に格差是正に向けた政策の試験区として浙江省を指定。アリババの本拠地・杭州がある省で、民間セクターは同省の域内総生産(GGDP)の66%を占めており、全国平均の約60%に比べて高い。
  4. 中国の製造業活動の最も重要な指標の1つ、財新製造業購買担当者指数は、コロナウイルスのパンデミックの初期段階の2020年4月以来初めて縮小した。最近の感染を封じ込め措置が脆弱な経済的背景に重くのしかかったためと推測されている。
  5. 韓国の国会で火曜日に可決された法案は、 AppleとGoogleの「アプリストア」にサードパーティのアプリ内決済を認めるよう要求している。これに従わない企業は、韓国での売上高の3%を上限とする罰金を科せられる可能性がある。
  6. 中国の電気自動車(EV)メーカー蔚来汽車(NIO)は1日、7−9月(第3四半期)の納車台数見通しを下方修正すると発表した。半導体供給を巡り不透明感や不安定な状況が続いていることを理由に挙げた。サプライチェーンの制約が自動車メーカーに影響を及ぼしていることがあらためて示された。
  7. 中国国務院は1日の常務会議後に公表した声明で、中国人民銀行(中央銀行)が中小企業への融資促進に向けて市中銀行に3,000億元(約5兆1,000億円)規模の低利資金供給を行うことを明らかにした。

インド

  1. テンセントの3割の株式を保有するアムステルダムのProsusは、インドの決済プラットフォームBillDeskを最大47億ドルで買収した。政府が提供するUPIベースの決済のほか、独立系のPaytm, PayU, Razorpay等の競合がひしめいており、BillDeskは買い手を探していたという。
  2. 9月末に「スーパーアプリ」の発売を予定していインド最大財閥タタのデジタル部門は、政府が提案している e コマース規則を明確にするまで、この計画を保留しているとEconomic Timesが報じた。
  3. インドでは、アーリーステージの資金調達が過去最高水準に達しており、今年は1日に平均1件のシードラウンドが行われている。人材派遣会社Xpheno社のデータによると、2021年にはこれまでに240件以上のシードラウンドが行われ、開示された投資総額は2億8400万ドル。
  4. 【1月でPayPayの年間決済取扱高の3倍!】インド政府が提供するデジタル決済基盤UPIは、8月の取引量が7月と比較して9.56%、取引額が5.4%増加した。UPIが8月に処理した取引件数は35億5,000万件、取引金額は6兆3921億ルピー(約9兆6,168億円)に達した。

日本

  1. キャシー・ウッドの上場投資信託(ETF)の1つ、アーク・オートノマス・テクノロジー・アンド・ロボティクスETF(ARKQ)は5月にコマツの米国預託証券(ADR)を一部を売却したが、8月17日以降のほとんどの営業日に買い増していたことがわかった。
  2. 9月2日、AWSで障害が発生し、AWSを利用するみずほ銀行や三菱UFJ銀行など大手銀行のアプリ、SBI証券や楽天証券など証券会社、NTTドコモ、全日本空輸(ANA)や日本航空(JAL)など航空会社の一部サービスで不具合が観測された。

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OpenAI、法人向け拡大を企図 日本支社開設を発表

OpenAI、法人向け拡大を企図 日本支社開設を発表

OpenAIは東京オフィスで、日本での採用、法人セールス、カスタマーサポートなどを順次開始する予定。日本企業向けに最適化されたGPT-4カスタムモデルの提供を見込む。日本での拠点設立は、政官の積極的な姿勢や法体系が寄与した可能性がある。OpenAIは法人顧客の獲得に注力しており、世界各地で大手企業向けにイベントを開催するなど営業活動を強化。

By 吉田拓史
アドビ、日本語バリアブルフォント「百千鳥」発表  往年のタイポグラフィー技法をデジタルで再現

アドビ、日本語バリアブルフォント「百千鳥」発表 往年のタイポグラフィー技法をデジタルで再現

アドビは4月10日、日本語のバリアブルフォント「百千鳥」を発表した。レトロ調の手書き風フォントで、太さ(ウェイト)の軸に加えて、字幅(ワイズ)の軸を組み込んだ初の日本語バリアブルフォント。近年のレトロブームを汲み、デザイン現場の様々な要望に応えることが期待されている。

By 吉田拓史