プーチンは制裁を受けるが隠し資産は謎のままだ
2019年6月28日(金)、大阪で開催されたG20サミットでロシアのウラジーミル・プーチン大統領。プーチンは、米国と欧州の同盟国からの制裁に直面している。(エリン・シャフ/ニューヨーク・タイムズ)

プーチンは制裁を受けるが隠し資産は謎のままだ

欧米はプーチンに関連する資産を凍結したが、プーチンの隠し資産は1,000億〜2,000億ドルとも言われており、縁故者を通じてプーチンの同盟者、友人、親族が保有するオフショアのタックスヘイブンの網に隠されている可能性がある。

ニューヨーク・タイムズ

【著者:Mike McIntire, Michael Forsythe】欧米諸国政府が25日に、ウクライナ侵略の罰としてロシアのプーチン大統領に属する資産を凍結する意向を発表したとき、彼に結びつくような重要な保有資産を知っていた素振りはなかった。

実際、プーチンが何をどこに所有しているのか、ほとんど知られていない。何年にもわたる憶測と噂にもかかわらず、何十億ドルもの金が彼の親しい友人の口座から流れ出し、豪華な不動産が家族につながったとしても、彼の富の範囲は気が狂うほど不透明なままである。

プーチンの財務公開によると、公式には年収は約14万ドルで、小さなアパートを所有している。

しかし、これでは、10億ドル以上したと推定される黒海の広大な不動産である「プーチン宮殿」を説明できない。ビザンチン様式の所有者の歴史は、ロシア大統領を含まないが、さまざまな形で彼の政府と結びついてきた。また、「プーチンのヨット」と呼ばれる1億ドルの豪華な船も、憶測を呼ぶ報道で長い間プーチン大統領と結びつけられていたため、開示されることはない(このヨット「グレースフル」は、ウクライナ侵攻の数週間前にドイツからロシアに向けて出航しているのが確認されている)。

また、プーチンの愛人とされる女性がオフショア会社を通じて購入したモナコの410万ドルのアパートもある。そして、南フランスの高価な別荘は、プーチンの前妻と関係がある。

米国とその同盟国にとって問題なのは、これらの資産のどれもがロシア大統領に直接結びつかないことだ。

これまで西側諸国は、プーチンの代理人として働いている疑いのある人物に制裁を集中させ、プーチンへの圧力を強めることを期待してきた。そして、2014年のロシアのクリミア併合に伴うような新たな罰則のほとんどは、引き続きプーチンに近いオリガルヒ(新興財閥)を対象としている。その中には、彼の元婿でロシアの石油化学会社の大株主であるキリル・シャマロフ、建設業界の大物ボリス・ローテンベルク、ロシア第6位の富豪と言われる投資家のゲンナジー・ティムチェンコが含まれている。

この制裁により、対象者は米国、英国、欧州連合での資産へのアクセスや金融取引が不可能になる。リストに載っている人物につながる金品は基本的に凍結され、現金や有価証券、不動産の売却さえも手が届かなくなるのである。

しかし、ロシアのエリートたちは、過去10年の大半を欧米の制裁下で過ごしており、監視の目を逃れるために複雑な企業所有の迷路を長い間好んできた。そのため、富を隠そうとする人たちのために設立された海外の法律事務所や秘密銀行からファイルが流出することで、彼らの取引が公になることがよくある。

米国ヘルシンキ委員会の上級顧問で、ロシア制裁について議員に助言してきたポール・マサロは、米国当局にとって、どの資産が影響を受けるかは必ずしも明らかではないと指摘する。

というのも、これらの資産が何であるかがわからなければ、凍結することができないからだ。

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