Stripeが自動リコンサイル企業Reckoを買収
22年の株式公開に向けて事業多角化
決済大手のStripeは、インドのベンガルールに本社を置き、決済のリコンサイル(複数帳簿間で残高照合を行うこと)を専門とするReckoを買収する計画を発表した。買収の条件は公表されていない。
決済におけるリコンサイルとは、内部の会計記録と外部の銀行取引明細書を比較し、すべてが一致しているか、矛盾がないかを確認する簿記の一種。取引数の少ない小規模な企業であれば、リコンサイルは非常に簡単なプロセスだが、企業が成長し、複数の通貨、チャージバック、リファンドなどを扱うようになると、あっという間に複雑な状況に陥る。
「決済の照合は、軽い頭痛の種ではなく、企業の成長に伴って偏頭痛になるようなものではなく、簡単で高度に自動化されたプロセスであるべきです」と、Stripeの最高製品責任者であるウィル・ゲイブリックはプレスリリースで述べている。
2017年に設立されたReckoは、eコマースプラットフォームやマーケットプレイス、デジタル決済ゲートウェイ、物流企業、会計、企業資源計画(ERP)ソフトウェア、ペイアウトプロセッサーなどの中間に位置し、トランザクションの照合から収益報告までの全照合プロセスを自動化する。
7月にStripeがReckoへの出資を検討しているとの報道があった。
2022年の株式公開に向けて、サンフランシスコを拠点とするStripeは、自社の機能を強化するだけでなく、インドのハイテク市場やeコマース市場への参入を目指している。Stripeは今年初め、インドの規制に対応するため、インドに拠点を置く同社の顧客のために、データホスティングインフラを現地のサーバーに移行した。
Reckoは、4年前の設立以来、外部から約700万ドルの資金を調達してきた。今後は、Stripeの課金・請求・収益認識を含む統合製品群の一部として提供されることになるが、Stripeは、Reckoが引き続き単独の製品として提供されると認めている。