テスラ、法律事務所にSEC出身弁護士の解雇を要求

テスラは、テスラを多数の訴訟で代理していた法律事務所Cooley LLPに対して、米国証券取引委員会(SEC)出身の弁護士の一人を解雇するよう求めました。

テスラ、法律事務所にSEC出身弁護士の解雇を要求
"Elon Musk at the Tesla ASM and Battery Day" by jurvetson is licensed under CC BY 2.0

テスラは、テスラを多数の訴訟で代理していた法律事務所Cooley LLPに対して、米国証券取引委員会(SEC)出身の弁護士の一人を解雇するよう求めました。

ウォール・ストリート・ジャーナル紙が引用した関係者によると、イーロン・マスクの怒りの対象となったとされるのは、Cooleyが証券訴訟・執行業務のために雇っていた元SECの弁護士。この弁護士は、テスラのCEOが2018年にテスラを非公開にするための資金を得たと主張したことに対するSECの調査で、マスクと面談しました。この調査により、マスクとテスラはそれぞれ2,000万ドルの罰金を支払うことに合意し、マスクはテスラの会長を3年間退任することに合意して和解に至りました。

また、マスクのロケット会社であるスペースX社も、規制問題で同法律事務所との連携をやめたと、関係者の話として報じている。テスラは、SECと独自の関係を持っています。同社は、SECの元裁判弁護士であるデビッド・ミスラーをマネージング・カウンセルとして採用しています。

マスクは、SEC以外にも多くの規制当局と衝突しています。米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)は、テスラの運転支援システム「オートパイロット」が、駐車していた救急車両にテスラ車が突っ込んだ事故の責任の一端を担っているかどうかを調査しました。

同局は、デューク大学の教授であり、自動化システムの専門家、元海軍戦闘機パイロットであり、テスラを批判しているミッシー・カミングスを調査のアドバイザーとして迎えました。マスクは10月、「彼女の実績はテスラに対して極端に偏った傾向を示している」とツイートしました。

その後、NHTSAはカミングスに対し、テスラに特化した案件から外れるよう要求したと、WSJは報じました。

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新型ジェットエンジンが超音速飛行を復活させる可能性[英エコノミスト]

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