ソニー、「グランツーリスモ」の史上最強のAI対戦相手を開発
【ブルームバーグ】ソニーグループは、『グランツーリスモ』で世界最高のレーサーを打ち負かすことができるチャンピオンを育成したと発表した。ただしそのプレイヤーは人工知能エージェントだ。
【ブルームバーグ】ソニーグループは、『グランツーリスモ』で世界最高のレーサーを打ち負かすことができるチャンピオンを育成したと発表した。ただしそのプレイヤーは人工知能エージェントだ。
「グランツーリスモ ソフィー(Sophy)」プロジェクトでは、1,000台以上のPlayStation 4を使用してAIボットを育成。このAIボットは、他のレーサーや競技のエチケットを尊重しながら、最適なレーシングラインやテイクオーバー操作を行うことができるとソニーは主張している。2020年に設立された同社のAIグループは、科学誌「Nature」に研究成果を発表した。
このプロジェクトは、プレイヤーにとってより刺激的な対戦相手を提供するために推進された部分もあり、競技志向のeスポーツレーサーたちは、Sophyと対戦(および敗北)した後に興奮を表明している。メディアイベントで行われたエキシビションレースでは、Sophyが人間のトップドライバー4人を抑えてチェッカーフラッグを受けた。
トモアキ・ヤマナカさんは「AIと戦うのは初めてで、悔しい」と語った。「人間を相手にするような運転をした。これは本当にすごいことだと思う」
AIの概念はビデオゲームではお馴染みのものだが、一般的には人工的な利点を持つ、あらかじめプログラムされたエージェントによって実装されている。このような特典なしで勝つためには、複数の対戦相手とコースを共有し、その行動に反応しながら、リアルタイムに判断を下す必要がある。
チェスや囲碁などの現実世界のゲームや、マイクロソフトが出資するOpenAIが開発したマルチプレイヤーバトルタイトル「Dota 2」などのバーチャルゲームでは、AIプレイヤーが人間を圧倒している。ソニーがこのようなAIモデルを開発する長期的な目標は、ユーザーに提供する体験の没入感と臨場感を深めることだ。
ソニーは、今後発売されるレーシングシリーズへのSophy AIの導入を検討している。『グランツーリスモ7』は、来月、「プレイステーション4」および「プレイステーション5」で発売される予定だ。
Vlad Savov. Sony Develops Toughest AI Opponent Ever for New Gran Turismo Game. © 2022 Bloomberg L.P.