ペンシルベニア大学ウォートン・スクールのJoseph Gyourkoとペンシルベニア大学のTodd SinaiとChristopher Mayerは住宅価格の長期動向を基に、スーパースター都市の台頭を明らかにしました。

彼らは1950年から2000年のアメリカの50年における住宅価格の変動を調査した結果、少数のスーパースター都市の存在を突き止めました。これらの都市は総じて住宅需要の成長率が継続的かつ急速に全米平均を上回る反面、供給も頭打ちの状態にあります。その上位10都市は、サンフランシスコ、オークランド、シアトル、サンディエゴ、ロサンゼルス、ポートランド(オレゴン州)、ボストン、バーゲン・パセ―イク(ニュージャージー州)、シャーロット、ニューヘブンです。

1954年から2000年までの間に、シリコンバレーの住宅価格は11倍に跳ね上がり、サンフランシスコでも住宅価格は9倍となりました。1940年にはシンシナティのごく平均的な住宅の価格は6万5000ドルで、サンフランシスコよりも高かったのです。しかし、2004年までに、サンフランシスコの住宅の平均相場は66万1900ドルに達しました。これは、シンシナティの住宅相場(11万8350ドル)の5倍以上、Gyourkoらの調査対象となった50都市のなかで最下位だったバッファロー(5万9370ドル)の10倍にあたります。

Gyourkoらによると、スーパースター都市の不動産人気は極めて長期間渡って続いているといいます。短期的に見れば、スーパースター都市の不動産価格は激しく上下するが、長期的には一貫して上昇しています。

しかし、過去40年間で50%前後の人口増加率を記録したラスベガスでは、住宅価格に明らかな上昇は見られない。Gyourkoは「人口増加とスーパースター都市とを一体のものとして考えるのは間違いだ。ラスベガスの住宅価格は比較的低い上に値崩れしており、住宅の入手は容易である」と指摘しています。

数少ない人気地域に住むために多くの人が「支払ってもよい」と考える金額は、その地域の経済的価値を説明していると考えられます。もちろん住宅市場は変動し、バブルは弾けるものだが、スーパースター都市は少なくとも半世紀前から顕著な持続力を示しています。スーパースター都市がその人気を持続しているのは、常に住まうにふさわしい人々、すなわちより高い技能を持った高所得の世帯を惹き付けることができているためです。常に豊かな世帯が移り住み、所得の下がった世帯が土地を追われていく生存競争が展開されている側面が存在します。国民所得が上がると、こうした土地の不動産価格は一気に高騰する傾向があるとGyourkoらは指摘します。

参考文献

Gyourko, Joseph, Christopher Mayer, and Todd Sinai. 2013. "Superstar Cities." American Economic Journal: Economic Policy, 5 (4): 167-99.