要約

Huaweiは過去7年間、秘密裏にAndroidのライバルを開発してきたと、アリババが所有するSouth China Morning Post(SCMP)が伝えています。Huaweiは、Google AndroidやWindowsの使用が禁止されていれば、今年中国で独自OSを発売する準備が整ってたそうです。Huaweiは10年近く前にすでにこの事態を予測していたのでしょうか。最も大きな技術上の課題は「Huawei OSとAndroidの互換性」とのことです。


まず、情報の出どころであるSCMPがどんなメディアかを整理すると、英領香港で1903年に創刊された英字紙で、87年からルパート・マードック、93年からマレーシア華人財閥傘下で2015年から阿里巴巴集団の傘下で、本土のテックビジネスに関する情報を香港だけでなく英語圏に流通する役割を担っています。

阿里巴巴集団と華為技術(Huawei)には直接的なビジネス上の競合がないので、ゲートウェイの香港を通じて出される情報は深い意味合いがあると想定できる。特にHuaweiやZTE等の件では中国ソースの英字情報としては最も信頼でき、中国側の意図がうっすらにじむ内容になっています。つまり「Huaweiや中国政府が対外的に知らせたいこと」が書いてあると想定できます。今回の内容は真実かもしれませんしポーカーで言うブラフかもしれません。

では早速、件の記事 "Inside Huawei’s secretive plans to develop an operating system to rival Google’s Android"(Yingzhi Yang, Li Tao| SMCP)を追ってみましょう。

Huaweiは7年前にすでにAndroidに代わる独自モバイルOSを作ることを決めていたそうです。経営陣のみによる極秘会議で作手された文書へのアクセスは一部の経営陣に限られています。

これが「本当なら」驚嘆すべき長期思考です。当時のHuaweiの世界市場シェアは5%未満でしたが、彼らは自分たちが競合をなぎ倒す様を想像していたのでしょうか。 IDCのデータによると、2018年には世界第2位のスマートフォンサプライヤとなり、合計で2億6000万台のスマートフォンを出荷しており、その約半分が海外市場に向けられています。

Huawei OSは非常に戦略的に設計されています。Huawei OSはAndroidアプリとの完全な互換性を目指しているようです。Androidアプリのコードを一行も変更せずとも、Huawei OSでそのまま使えるようにするそうです。

互換性があれば、Huawei社製の電話と独自のOSを組み合わせてAndroidアプリをシームレスにダウンロードして実行できます。 Androidとの互換性レイヤを成功させることは、世界中のアプリ開発者がHuaweiのOS用に特別なコードを開発する必要がないことを意味します。

Android で築かれた資産をそのまま転用できることを目指しているのです。HuaweiはAndroidの低、中、高価格帯のすべてのレンジで有力な存在になっています。このユーザー群のAndroidからの転換費用を落とすことで、各種の圧力から自由になれると想定しているのでしょう。

他の会社によるAndroidの代替品を作成しようとする過去の試みは成功していません。 Microsoftは過去にAndroidアプリを実行できるWindows OS上のレイヤーを開発しようとしましたが、すべてのAndroidアプリがスムーズに実行できないため、失敗しました。 Samsungはまた、スマートフォンのAndroidをTizen OSに置き換えようとしましたが、その努力は失敗しました。

OS開発はとても難しいのです。後発のAndroidの上位機種バージョンがiOSの背中に接近したのはつい最近のことです。

スマホ事業は総合格闘技です。各種のハードウェア開発、パフォーマンスに最も影響するチップ、OS、チップとOSの間のユーザーから見えないソフトウェアの階層、通信技術を組み合わせないといけません。各レイヤーには独占的な技術優位性を誇るプレイヤーが存在し、彼らが取得した特許が存在します。これらの主に欧米企業が築いた障壁が新興勢力の進出を阻んでいるのですが、Huaweiはそのすべての領域を自力で超えそうなプレイヤーなのです。

そしてこの事実こそが今回の「米中テック戦争」の主要因であることは想像しやすいでしょう。

メモを作ったところこの記事はかなり長くなりそうでしたので、今日はここまで。来週以降、各プレイヤーの戦略、周辺状況などを整理したものを書きたいと思います。


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