英半導体設計企業 Arm上場は、ソフトバンクグループ(SBG)の生死を賭けたものとなっている。孫正義氏が思い描く株価が得られた時、SBGは力に満ち溢れる。そうでなければ、死線をさまようことになるだろう。
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SBGは、ArmのIPOをナスダックに上場申請した。Appleやサムスン、NVIDIA、Intelなど世界の主要な半導体関連企業がArm上場と同時期に出資する方針だ、と日本経済新聞は22日に報じた。本稿執筆時の22日時点で、内外の報道機関は日経を支持する報道をしていない。
上場の前に劇的な取引があった。SBGは世界で最も物議を醸したベンチャーキャピタル(VC)であるソフトバンク・ビジョン・ファンド1(SVF1)に、2016年に買収したArmの株式25%を現物出資した(*1)。先週、SBGはこのArm株25%を、企業価値640億ドルに基づいて、160億ドルで買ったとウォール・ストリート・ジャーナルは報じた。SVF1の優先株主であるサウジらの配当を早めることができるが、私の独自算定では、負債比率の一種である「Loan to value(LTV)」が最大6