停滞が続くテスラのソーラー事業
Image via Tesla.

停滞が続くテスラのソーラー事業

テスラは電気自動車(EV)と蓄電では成功したもののソーラー事業では停滞が続く。ソーラーシティ買収のシナジーを享受できないまま、相次ぐ訴訟と規制当局の調査も重なり泣きっ面に蜂だ。

吉田拓史

要点

テスラは電気自動車(EV)と蓄電では成功したもののソーラー事業では停滞が続く。ソーラーシティ買収のシナジーを享受できないまま、相次ぐ訴訟と規制当局の調査も重なり泣きっ面に蜂だ。


11月6日、米証券取引委員会(SEC)がテスラのソーラーパネルの潜在的な火災リスクについて調査していると報じられた。ロイターの報道によると、SECは、テスラが同社のソーラーパネルシステムが引き起こす可能性のある火災リスクについて、株主や一般市民に適切に伝えていなかったという主張を調査しているという。

これは、テスラの元現場品質管理者であるスティーブン・ヘンクスが、2019年に同社に関して内部告発を行ったことを受けたものだ。SECの調査はヘンクスが情報自由法(FOIA)により、自分の告発に関する情報を要求したことを受けて公開された。ロイターは「法施行部門のスタッフに確認したところ、あなたが記録を求めている調査はまだ有効であり、進行中であるとのことだ」というSECの回答書(9月24日付)のコピーを入手した。

ヘンクスは、テスラと、テスラが2016年に買収したソーラーシティが、ソーラーパネルシステムの電気コネクタの欠陥に伴う火災の危険性について、顧客や株主に警告しなかったと主張している。告発状では、テスラが潜在的な火災リスクについて顧客に知らせるのではなく、単にシステムのメンテナンスを行わなければならないと伝えて顧客を欺いたとしている。

ヘンクスは、テスラの経営陣に対し、欠陥のあるシステムを停止して顧客に通知し、適切な当局に通報すべきだと伝えたという。テスラはこの元現場品質管理者を2020年に解雇したが、ヘンクスはこの解雇が報復であると考え、並行して不当解雇の訴訟を起こしている。

テスラのソーラーパネルに関連する安全性の問題は、2019年にウォルマートがテスラを訴え、同社のソーラーパネルがウォルマートの複数の店舗で火災を起こしたと非難したことで生じた。小売大手は、ソーラーパネルには欠陥があり、その一部は買収前のソーラーシティが設置したとされ、テスラはシステムを適切に接地しなかったと主張した。しかし、ウォルマートは同年末、両社が合意に達したとして、訴訟を取り下げた

ソーラーシティ買収の株主代表訴訟

買収合併に関する訴訟も太陽電池事業に覆いかぶさっている。2016年のソーラーシティ買収を巡る株主代表訴訟は、現在進行中だ。10月初旬、テスラの投資家たちは、デラウェア州の裁判所に提出した書類で、マスクが経営不振の太陽光発電企業ソーラーシティの買収をテスラに働きかけて得た「利益」について、テスラに94億ドル相当の株式を返却するよう裁判官は命じるべきだ、と主張した。

訴訟は、何年にもわたる証拠開示、争点となる宣誓証言、コロナウイルスの大流行による延期を経て、7月12日にデラウェア州で裁判が開始されていた。

この訴訟では、原告は「買収がイーロン・マスクの親族を助け、買収元と買収先の双方の株主だったマスクが利益を得るためのもので、株主に損失を負わせた」と投資家が訴えている。

原告の年金基金や資産運用会社はマスクが資金難のソーラーシティを26億ドルで買収するようテスラ取締役に強要したと主張している。ソーラーシティはマスクの従兄弟らが2006年に設立した企業で、マスクは当時、テスラとソーラーシティの株式それぞれ22%を保有。マスクの航空宇宙企業であるSpace Xも、ソーラーシティから数千万ドル相当の社債を購入していた。

投資家たちは、マスクがソーラーシティの株式と引き換えに受け取ったテスラ株の返還を要求している。マスクが受け取ったテスラ株は現在の価値は100億ドルを超えている。

これに対し、マスクの弁護士はソーラーシティの買収は「公正な取引の産物」であり、テスラの株主の85%が承認したものであると反論している。裁判所は1月にも口頭弁論を予定しており、この訴訟の判決はまだ数ヶ月先になると思われる。

買収後の長期に渡る停滞

テスラはEVと蓄電池、太陽光パネルの組み合わせでエネルギーと自動車の双方のし上を手に入れる目論見を持っている。テスラはEVと蓄電池は成功しているが、太陽光発電事業だけうまくいっていない。

代表的製品である太陽電池を付けた屋根瓦「ソーラールーフ」はテスラのビジネスのほんの一部にすぎないが、EVメーカーから、家庭のクリーンエネルギー需要を満たすワンストップ提供者へと進化するというマスクのビジョンには欠かせないものだ。

マスクは2016年にロサンゼルスで開催された有名ドラマ『デスパレートな妻たち』のセットで行われた製品発表会で、「美しく、手頃な価格で、シームレスに統合されたものでなければならない。ご近所さんを呼んで、『この素敵な屋根を見てください』と言いたくなるでしょう」と売り込んだ。

しかし、ソーラーシティは買収後「テスラエナジー」に統合され、屋上、地上、駐車場の太陽光発電システムの設置を開始したものの、新規設置は激減した。2017年の第4四半期、テスラはソーラーシティを買収したときと比べて、太陽電池の導入量が43%減少したと報告した。調査会社ウッド・マッケンジーのリサーチによると、同社は結局、2018年に米市場をリードする地位を失い、現在は住宅用太陽光発電市場の2%程度にとどまっているという。

2021年の第1四半期と第2四半期に、テスラはそれぞれ92メガワットと85メガワットのソーラーを設置した。これは、買収前にソーラーシティが四半期ごとに設置していた量の半分以下だ。

ブルームバーグによると、ソーラールーフの進捗状況に不満を抱いたマスクは今年に入り、プログラムに関わった多くの役員や幹部を解雇し、消費者向けの価格を引き上げ、その詳細に深く関与するようになった。関係者によると、彼はソーラールーフの設置にかかる時間を改善したいと考えており、設置作業の一部を手伝ったとのことだ。もしソーラールーフが失敗に終われば、それは彼が解けなかったパズルの象徴となるだろう。

2019年、より安く、より早く、より簡単に設置できると公言したソーラールーフのバージョンを予告したとき、マスクは週に1,000台以上設置するという目標を掲げ、売上は「ステロイドを使った昆布のように伸びる」と宣言した。しかし、ブルームバーグが引用した関係者によると、テスラは週に200台、ましてや1,000台の設置を達成するのに苦労しているという。

また、手頃な価格での販売も実現していない。4月、テスラはソーラールーフの価格を大幅に引き上げ、顧客のキャンセルを招いた。いくつかの州の顧客を代表して北カリフォルニアの連邦裁判所に提出された訴訟によると、購入者がすでに契約した後に50%以上の値上げを行ったケースもある。

CNBCは業界の専門家や最近テスラのソーラーシステムを利用した顧客にインタビューを行い、テスラがソーラーシステムの約束をどのように果たしているかを調べた。その結果、ワシントン州、ニューヨーク州、カリフォルニア州の顧客は、カスタマーサービスの悪さやソーラーパネル設置時の予期せぬ問題を嘆いていたという。一方で、テスラが、不完全ながらも太陽光で走ることのできる自動車やシステムを作っていることを称賛する人もいるという。

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