導入進むタイのタクシーアプリ ついには政府が参入

タイのタクシー業界はアプリの普及でサービス向上が急激に進んでいます。 グラブ、LINEタクシーがしのぎを削るなか、国営企業もタクシーアプリに参入しました。

導入進むタイのタクシーアプリ ついには政府が参入

乗車拒否や料金メーターの違法改造などが問題になるタイで、タクシーアプリが普及し、ついには今月25日から、タイ運輸省陸運局がアプリ「TAXI OK」を開始します。タイではすでにソフトバンクが出資しているグラブタクシーや米ウーバーのほかにLINEまでがタクシーサービスを実施しており、悪名高いタイのタクシー業界がアプリの普及でサービス向上が急激に進んでいます。

タイ陸運局長によると、通常料金に加え、20バーツ(約60円)を手数料にとるなどグラブタクシーやウーバーと同程度の価格帯となるようです。アプリを導入するのは2万台で、全車両にGPSや乗客用の緊急ボタンや車内に監視カメラを設置。運転手の身分や走行ルートを一元管理し、悪質なサービスで有名なタイのタクシー運転手のサービス向上を図る目的です。

タイではすでにさまざまな配車サービスが普及している上、各社ともにサービスの幅を広げています。2017年6月にはウーバーが車種を問わずに近くのタクシーを呼べる新サービス「フラッシュ」を発表。ウーバー、グラブタクシーともにタイの庶民の足であるバイクタクシー事業にも参入しています。インドネシアでもGojekが普及しているように、タイでもこうしたサービスが広がっています。

中でもタイ国内最大級の配車網を持つのがLINEが提供する「LINEタクシー」です。タイのタクシー組合と提携し、現在はまだ2万台ほどですが、今後は約6万台まで抱える計画です。タイはLINEにとって日本に次ぐ市場で、これまでグラブタクシーやウーバーが先行していましたが、現在はLINEがアプリを利用してシェアを伸ばそうとしています。

タイでは運転手による乗客への暴行や強盗が事件になることもあるため、配車アプリは市民の評判がすこぶる高く、子供の習い事などの送迎にこうしたアプリを利用する人もいると聞きます。現在はウーバー、グラブタクシーともにタイ政府と事業については既存のタクシー業界とぶつかることもあり、交渉を進めていますが、サービスが停止になることはないとされています。

Photo by Florian Wehde on Unsplash

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