ピーター・ティール、米右派のキングメーカーに
【ニューヨーク・タイムズ】著名ベンチャー投資家のピーター・ティールは、2016年にトランプの大統領選挙への最大の寄付者の一人として知られるが、最近、トランプ派の選挙運動の主要なな資金提供者として再登場した。

【ニューヨーク・タイムズ、著者:Ryan Mac, Lisa Lerer】ワインがグラスに注ぎ込まれ、ドナルド・トランプ前大統領が来客と交流していた。そして、このイベントの主催者であるテック大富豪のピーター・ティールは、この裕福な人々にメッセージを送った。それは「家をきれいにする時が来た」というものだった。
2022年1月、ティールのマイアミビーチの邸宅で行われた資金調達パーティは、11月の中間選挙でワイオミング州選出のリズ・チェイニー議員に挑戦する保守派の候補者のためのものだった。公の場で話す権限は与えられていないこのイベントを知る2人の関係者によると、ティールは1月6日の連邦議会議事堂襲撃を扇動した罪でドナルド・トランプ大統領の弾劾に賛成票を投じた数人の共和党員のひとりであるチェイニーは「裏切り者の10人」の顔役だったと語っていた。ティールは、彼ら全員を、前大統領に忠実な保守派が交代させなければならないと宣言したようだ。
2016年にトランプの大統領選挙への最大の寄付者の一人として知られるようになったティールは、「メイク・アメリカ・グレイト・アゲイン(Make America great again)」運動の重要な資金提供者として再登場した。2020年の大統領選を見送ったベンチャーキャピタリストは、今年は16人の上院・下院候補者を支援しており、その多くが「トランプが選挙に勝った」という嘘を受け入れている。
これらの候補者を当選させるために、ティールは2,040万ドル(約23億6,000万円)以上を提供している。超党派の調査機関であるOpenSecretsによると、ティールはヘッジファンドCitadelのCEOであるケネス・グリフィンと並んで、今回の選挙サイクルにおける共和党政治への最大の個人献金者となっている。