すべてを征服したTikTokとその赤い影
2019年4月11日(木)、中国・北京で写真撮影に応じるバイトダンス(ByteDance/字節跳動)の最高経営責任者兼創業者、張一鳴(チャン・イーミン)。Photographer: Gilles Sabrie/Bloomberg.

すべてを征服したTikTokとその赤い影

エコノミスト(英国)
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カウンターの上にあるものを見ようと、後ろ足で飛び跳ね、近づいては、アルミホイルを見て感電したかのように反り返る猫。この6秒間のドラマは4,000万回以上再生され、TikTokは最近の「最もホットな」動画の1つとして取り上げた。

猫の動画は、深夜のテレビでジョークのネタにされる。しかし、TikTokにアップロードされた何億もの短い動画は、シリコンバレーや欧米の首都で眠れぬ夜をもたらしている。このアプリは、競合他社や規制当局を驚かせるほどのペースで成長している。TikTokはわずか5年で、世界のソーシャルメディアのトップクラスに躍り出た。アメリカの当局は、このクラブは競争に対して非常に閉鎖的であると考え、主要メンバーであるFacebookに対して反トラスト法裁判を始めた。TikTokがユーザーとそれに付随する広告費をかき集めるにつれ、Facebookがこの若い新興企業を模倣して自社のアプリを書き換えている。TikTokは、さらに変化するかもしれない。TikTokの電子商取引への進出は、別の業界を混乱させる可能性がある。

各国政府がTikTokに神経を尖らせているのは、それぞれ異なる理由があるからだ。中国発の消費者向けアプリとして初めて欧米に進出したTikTokは、北京の誇りでもある。しかし、このアプリが中国に所有されているため、他の国の政治家は、自国民の注目を集めることに不安を覚えている。ユーザーのデータが悪人の手に渡ったり、ユーザーの閲覧方法が中国のプロパガンダに利用されたりすることを懸念しているのだ。TikTokはすでに、かつて最大の市場であったインドで禁止されている。アメリカを含む他の国も次の手を考えている。

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