トヨタ、Alexaを廃止しChatGPTへの移行を模索
トヨタが人気車種でAlexaのサポートを打ち切った。大規模言語モデル(LLM)駆動のChatGPTが、最近までもてはやされていたAlexaやSiriのようなバーチャルアシスタントをあっという間に駆逐した格好だ。
トヨタが人気車種でAlexaのサポートを打ち切った。大規模言語モデル(LLM)駆動のChatGPTが、最近までもてはやされていたAlexaやSiriのようなバーチャルアシスタントをあっという間に駆逐した格好だ。
トヨタは、プリウス、カローラなど人気のあるモデルの2023年版で、ユーザーがスマートフォンを介して車内でAlexaを操作できるようにしていたアプリのサポートを打ち切った、と米テクノロジー誌The Informationが22日に報じた。
同誌が引用した関係者によると、トヨタは今後数年のうちに、他のラインアップからAlexaの統合を段階的に廃止する予定だという。自動車メーカーは現在、昨年立ち上げた自社製音声アシスタントの改善に注力しており、OpenAIが開発したチャットボット「ChatGPT」をそこに統合することを検討しているという。
5年前、アマゾンの音声アシスタント「Alexa」は、注目のパートナーシップ、好調なデバイス販売、業界や一般での話題性など、すべてを備えていた。しかし、ChatGPTの登場が全てをひっくり返した。
Alexaを組み込んだデジタル機器は何億台も売れたにもかかわらず、Alexaは技術分野の次の大きなプラットフォームを作るというアマゾンの目標には届かなかった。
Microsoftの最高経営責任者であるサティア・ナデラは今月、フィナンシャル・タイムズとのインタビューで、Alexaのような音声アシスタントは「岩のように間抜けだ」と述べ、より新しいAIが道を開くと宣言している。
AlexaとChatGPTは、それぞれ異なるAIにと基づいている。ChatGPTは、大規模言語モデル(LLM)と呼ばれる、ウェブからかき集めた膨大なデータセットに基づいてテキストを認識し生成するように訓練されたシステムによって駆動する。
淘汰されるのはAlexaだけでなく、Siriもそうである。Siriが長期に渡り、停滞し続けた理由の一つは、Siriの開発に携わった元Appleのエンジニア、ジョン・バーキーへのニューヨーク・タイムズ(NYT)のインタビューによると、「技術的なハードル」と「悪い実装」にあるという。
NYTの報告によると、Siriはデザインが煩雑で、新機能の追加に手間がかかるという問題があった。新機能の追加には、データベース全体の再構築が必要で、最大で6週間かかることもあった。新しい検索ツールのような複雑な機能を追加する場合、1年近くかかる可能性があったという。「つまり、SiriがChatGPTのようなクリエイティブなアシスタントになる道はない」とバーキーは断じている。
Siriは相当の「時代遅れ」のAIだったようだ。報告はSiriは「有限の質問と要求のリストのみを理解する」と表現し、ルールベースの可能性が示唆されている。ユーザーがSiriにコードにないことを要求した場合、Siriは有効な回答ができないという。