中国はTSMCを“取り戻す”べきとの強硬論が登場

中国政府系研究機関のエコノミストは、米国が中国に対してロシア並みの制裁を行った場合、台湾積体電路製造(TSMC)を接収するよう当局に要請した。

中国はTSMCを“取り戻す”べきとの強硬論が登場
Credit: TSMC

中国政府系研究機関のエコノミストは、米国が中国に対してロシア並みの制裁を行った場合、台湾積体電路製造(TSMC)を接収するよう当局に要請した。

中国国際経済交流センター(CCIEE)のチーフエコノミスト、陳文玲氏は「米国と西側諸国が中国に対してロシアに対する制裁のような破壊的な制裁を行う場合、我々は台湾を取り戻さなければならない」と述べたという。

「もともと中国のものであったTSMCを中国の手に取り戻す必要がある。彼らは米国に6つの工場を建設するため、米国への移動を加速しており、移動の目的をすべて達成させてはならない」

米国による中国封じ込め策への対策のひとつとしてとしてTSMCを我がものにすることが挙げられている。陳氏は人民大学の中国人民大学重阳金融研究院が主催した先月の講演で発言しており、その内容がニュースサイト「視察者網」によって火曜日にオンラインに掲載された。

TSMCが中国、台湾、米国の三カ国関係の中で戦略的な鍵となっていることはパンデミック化の半導体不足によって、世界中が知ることになった。

なかにはTSMCさえなければ、中国は台湾併合の目的を失うという憶測すら存在する。米陸軍士官学校の季刊学術誌『Parameters』の2021年の最もダウンロードされた論文は「台湾が中国に脅かされた場合、半導体産業を自ら根絶すると脅せば、中国は侵略を諦める」と主張するものだ。

このJared M. McKinneyとPeter Harrisの論文によると、中国はTSMCに依存しているため、もし台湾が「TSMCを破壊する」と脅せば、侵略は経済的合理性がなくなり、むしろ、中国は多くの電子機器の製造機能を失う可能性があるという。

台湾がTSMCを破壊すると脅せば中国は統一を諦める説
米陸軍士官学校の今年最も人気のある論文は、台湾が中国に脅かされた場合、半導体産業を自ら根絶すると脅し、北京が統一に興味を持たなくなるようにすべきだと主張し、物議を醸している。

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