ファウンドリー(半導体の受託製造)世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が台南市で2020年に3ナノメートル(nm)製造プロセスの工場を建設しているが、工事のスピードを上げるため、建設労働者の日当を市場平均の2倍、3倍まで引き上げ、6日の労働に対し7日分の報酬を支払う「做 6 給 7」の条件まで提示している。台湾の科技新報が報じた

台湾工業会の蒋智清会長によると、これはTSMCが以前工場を建設した時と同じ給与体系で、進捗を遅らせない限りはお金をかけてもいいという方針だという。

建設中の工場の投資額は約6,000億台湾元(約2兆1,500億円)と見積もられている。TSMCは22年の量産開始を目指している。この工場が扱う3nmは半導体製造において最も微細化されたプロセスであり、この工場がコンピュータ産業の未来に大きな影響を与えうる。

TSMCが15日発表した2020年7~9月期決算は、売上高が前年同期比22%増の3564億台湾ドル(約1兆3千億円)、純利益は同36%増の1373億台湾ドルと、いずれも四半期ベースで過去最高となった。

TSMCにはもともと、ファーウェイ向けに全体の約15%に当たる約6千億円の売り上げがあったとされる。米国による制裁で、9月中旬から同社への出荷ができなくなったが、現状はその落ち込みを大きく上回る受注を抱えている。ファウンドリでは近年寡占化が進行しており、多くのファブレス(半導体設計)企業はTSMCの製造能力に依存しているため、需要が落ち込むことは考えがたい。

TSMCだけではなく、TSMCが主導する南部科学工業園区(南科)のサプライヤー企業には、能力増強の波が押し寄せている。 最近、台湾では大型建設プロジェクトが相次いで始動し、外国人投資家の台湾への投資が拡大し、台湾人投資家の資金が戻ってきたことでプラント建設の需要が高まり、さらには不動産需要までもが刺激され、労働力不足が深刻化している。

これらの影響で、南部科学工業園区と同時期の技術職の給与も刺激されている。 日雇い建設労働者は、以前は1日2,000~2,500台湾元(7,400円〜9,200円)を稼いでいたが、現在は3~4,000台湾元(11,000円〜14,700円)を稼いでいる。 溶接工は技能レベルによって1Gから6Gに分類されており、大規模工場で必要な6Gの免許を持った溶接工が希少なため、来年は日給が1万台湾元(3万7,000円)に上昇するとエンジニアリング会社の責任者は予測している。

報道によると、大手エンジニアリング会社の元スーパーバイザーは、「今は200人の作業員が就職サービスステーションから配属されているが、新たに60人が来ることもあり、現場経験はほとんどない人が中心だ」と話した。 許国雄内相はまた、労働者不足が特に南部に存在し、適切に対処しなければ大型プロジェクトの進捗に影響が出ることを懸念している。