TSMC、9月に3nmプロセスの量産へ - 台湾紙報道
台湾積体電路製造(TSMC)は今年9月に最先端のN3(3nm)製造プロセスを用いたチップの量産を開始する、と装置メーカーを引用した台湾メディアの工商時報が報じた。TSMCは、N3ノードを使用して製造された最初の製品を、来年の早い時期に顧客に提供する予定だ。
台湾積体電路製造(TSMC)は今年9月に最先端のN3(3nm)製造プロセスを用いたチップの量産を開始する、と装置メーカーを引用した台湾メディアの工商時報が報じた。TSMCは、N3ノードを使用して製造された最初の製品を、来年の早い時期に顧客に提供する予定だ。
初期のN3製造プロセスは、10%から15%のパフォーマンスの向上 (同じ電力と複雑さで)、25%から30%の消費電力の削減 (同じ速度とトランジスタ数で) を提供すると予測されている。元のN5製造技術と比較すると、約1.6 倍のトランジスタ密度だ。
従来、TSMCは、通常9月に発売されるAppleの最新iPhoneに十分な量のチップを製造するため、3月から5月の間に新しいノードの量産を開始する。しかし、TSMCのN3ノードの開発には通常より時間がかかったため、Appleの次期スマートフォン用チップは別のノードを使用することになった。
9月の量産開始はTSMCが当初約束した時期より少し遅れる(通常のスケジュールに対して2~3カ月の遅れ)。それでも、同社は今年後半にN3生産を開始するという目標を達成することになる。TSMCの魏哲家最高経営責任者(CEO)は、最近の企業説明会で、TSMCのN3プロセスは予想通りに進んでおり、2022年後半には良好な歩留まりで量産が開始されると述べた。HPCやスマートフォン関連アプリケーションに牽引され、2023年には生産が安定化し、2023年前半から収益に貢献するようになるという。