Uberの過酷な内幕を告発するリークで波紋が広がる
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Uberの過酷な内幕を告発するリークで波紋が広がる

リークされたUberの数千の機密ファイルから、法律違反、ロビー活動、ドライバーへの暴力搾取の歴史が明らかになった。ギグエコノミーの誇大広告がこそげ落ちた今、社会はこのビジネスについて考え直す時期を迎えている。

編集部

リークされたUberの数千の機密ファイルから、法律違反、ロビー活動、ドライバーへの暴力搾取の歴史が明らかになった。ギグエコノミーの誇大広告がこそげ落ちた今、社会はこのビジネスについて考え直す時期を迎えている。

「Uber Files」と銘打たれた一連の調査報道は、英ガーディアン紙と国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)によって先週公開されたもので、同社が故意に法律を破り、政府に密かに働きかけ、トップ政治家から援助を受け、ドライバーに対する暴力を利用してビジネスを拡大したことが示されている。

12万4,000件以上の文書からなるこの衝撃的なリークは、2013年から2017年までの5年間にわたるものです。Uberがまだ共同創業者のトラビス・カラニックによって運営されていた頃の、40カ国にわたるUberの事業を網羅している。

ガーディアンによると、ヨーロッパ、中東、アフリカの政府を取り込むためにUberを率いたロビイストのマーク・マクガンが、この文書をリークした情報源として名乗り出たという。マクガンはガーディアンに対し「「私にも責任の一端がある。私が政府と話をし、私がメディアでこれを推し進め、私が人々に、ドライバーが利益を得て、人々が多くの経済的機会を得ることになるので、ルールを変えるべきだと言っていた」と語っている。

8万3,000通の電子メールと会話を含む1,000の他のファイルを含むUber Filesは、ヨーロッパのタクシー業界を混乱させるために、フランスのエマニュエル・マクロン大統領などの世界の指導者の支持を得るためにUberが年間9,000万ドルのロビー活動や広報活動を行ったことを初めて明らかにした。

Uberの広報担当者ジル・ヘーゼルベーカーは声明の中で、カラニックの管理下でUberが犯した多くの過ちを認めつつ、彼の後任であるダラ・コスロシャヒは「公開企業として運営するために必要な厳格な管理とコンプライアンスを導入している」と述べている。

しかし、すべてがレッドゾーンから社会的通年の範疇に収まったとはいい難い。Uberは2017年以降、Uberは現地の法律でドライバーが社員として扱われなければならないと定められていても、「ギグワーカー」という独立請負者の地位を変えず、そのままサービスを運営し続けてきた。

マクロン大統領やEU幹部がUberに「便宜」

Uber Filesはトップ政治家の支援を利用してきた。パリはUberが最初に進出したヨーロッパの都市であり、街はこの新しいテック企業に激しく抵抗した。しかし、2014年に経済大臣に就任したばかりのマクロンは、Uberが新たな雇用と経済成長の実現に役立つと考えていた。10月に同社のロビイストと会談した後、マクロンは政府内でUberの利益を擁護するようになり、Uberに有利な法律に書き換えるよう努力するようになった、とファイルは示している。

この年、マクロンはウーバーと協力し、フランスのサービスに関する法律を書き換えた。Uberは、無免許運転手が割引価格で乗車できるサービス「UberPop」を開始していた。このサービスは当初、政府によって禁止されたが、Uberのやり方として、法律に異議を唱えながらサービスを継続させた。

2015年6月、タクシー運転手の抗議活動が暴力的になると、マクロンがカラニックに「来週、みんなを集めて改革を準備し、法律を正す」とメールした、とファイルに書かれている。同日、UberはフランスでのUberPopを停止した。その後、マクロンはUberの運転手の免許取得要件を緩和する政令に署名した。

マクロン以外にも、元EUデジタルコミッショナーでブリュッセルの最高幹部の一人であるネリー・クルースが、任期終了前にUberへの入社について話をしていたこともファイルから明らかになっている。クルースはまた、同社のために密かにロビー活動をしていたようで、これはEUの倫理規定に抵触する可能性がある。

規制当局の調査を不能にする「キルスイッチ」

Uberはまた、当局がUberのオフィスを急襲した際に、Uberのデータにアクセスできないようにするための技術的ツール「キルスイッチ」を設置していたとされる。ファイルはフランス、オランダ、ベルギー、インド、ハンガリー、ルーマニアで少なくとも12回配備されていたことを明らかにしている。

キルスイッチが使われたことが最初に知られたのは、2014年末にフランスで行われた2回の捜査のときだった。11月の捜査では、デンマークのITエンジニアにメールで指示を出してからアクセスが遮断されるまで、わずか13分しかかからなかった。

電子メールによると、キルスイッチは、前CEOのカラニックを含むトップレベルの幹部と法務担当者の指示で使用されていたことがわかる。役員も法務担当者も、アクセス遮断を指示するメールにコピーされていることが多い。

社内では「Ripley」と呼ばれるこのキルスイッチは、当局にデバイスを押収された後にネットワークアクセスを遮断する「Casper」という遠隔操作プログラムと連動して使用されていた。2017年には警察が利用者を装ってドライバーを検挙するのを妨害するシステムGreyballニューヨーク・タイムズによって明らかにされていた。

合法性がないことは承知の上

ある上級幹部は電子メールにこう書いている。「我々は多くの国で合法ではない、反感を買うような発言は避けるべき」別の幹部は、Uberが「取締りを避ける」ために展開した戦略に対して、「我々は正式に海賊になった」と書いている。

2014年にUberのグローバルコミュニケーション責任者であるナイリ・ホウダジャンが同僚に宛てたメッセージは、こんなことまで言っている。「ときどき問題が発生するのは、まあ、われわれがクソ違法だからだ」