今年は自律走行車の変曲点の年
ベイエリアを走行するウェイモの全電気自動車「Jaguar I-PACE」

今年は自律走行車の変曲点の年

ウェイモとクルーズはサンフランシスコでついに乗客に運賃を課せられるようになった。今年は自律走行の変曲点の年となり、ロボタクシー以外のアプリケーションが何千何万と出てくる可能性がある。

吉田拓史

カリフォルニア州公益事業委員会(CPUC)は28日、アルファベットの自動運転部門ウェイモとゼネラル・モーターズ(GM)の自動運転部門クルーズに対し、セーフティドライバー(安全運転者)が同乗する自律走行車の乗客サービスを許可する許可を交付した。

CPUCによると、GMのクルーズとウェイモは乗客から運賃を徴収することが認められ、相乗りサービスを提供することもできるという。クルーズとウェイモは、今回の発表以前は、旅客サービスの提供は試験的にしか許可されておらず、運賃の徴収は認められていなかった。

ウェイモは「サンフランシスコ郡とサンマテオ郡の指定された地域」で、時速65マイルまでなら、自律走行車にお金を払った乗客を乗せて運転する許可を得ている。クルーズは、午後10時から午前6時までの間、時速30マイルまでの運行しか許可されていない。ウェイモの車両はクルーズのように時間帯の限定が課せられていなのは、おそらく、ウェイモの方がテストと安全性の実績が進んでいることを反映しているだろう。

両社とも、テスト的に乗客を乗せて運行する許可を先に得ており、その結果、Waymo Oneアプリのベータユーザーは過去6カ月間、SF周辺で無料で乗車することができた。クルーズは2月上旬に無料のロボカーサービスを開始した。

ウェイモは現在、「今後数週間」のうちに、アプリ経由で同社の全電気自動車「Jaguar I-PACE」による広範な有料ロボタクシーサービスを展開するとしており、昨年8月のベータ版発表後、現在数千人がウェイティングリストに名を連ねているという。ウェイモはすでに過去3年間、アリゾナ州フェニックスで有料ロボタクシーサービスを提供しており、2020年10月以降、それらの車は誰も運転席に座っていない完全なドライバーレスとなっている。

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