カリフォルニアに多くの億万長者が住む理由

シリコンバレーには、億万長者を生み出す傾向があり、その結果、驚くような傾向が見られる。アメリカの富豪100人にランクインしたカリフォルニア州民26人のうち、19人がベイエリアに住んでいるのだ。

カリフォルニアに多くの億万長者が住む理由
アメリカの富豪100人にランクインしたカリフォルニア州民26人のうち、19人がベイエリアに住んでいる. Photo by Madhur Chadha on Unsplash

アメリカで最も裕福な100人のうち、26人がカリフォルニアに住んでいる。

これは他のどの州よりも多く、単にカリフォルニアの人口が多いという副産物ではない。もし、全米の億万長者100人が均等に分布しているとしたら、カリフォルニアに住んでいるのは12人だけであろう。

これは、シリコンバレーの存在が大きい。カリフォルニア大学バークレー校の名誉教授で経済地理学を研究しているリチャード・ウォーカーは、「カリフォルニアが世界第5位の経済大国であることの反映でもある」と言う。

「カリフォルニアは過去50年間、アメリカの成長のメインエンジンだった」とウォーカーは言う。「カリフォルニア経済がいかに巨大であるか、このことは十分に認識されていない」

本題に入る前に。フォーブス誌の2021年の億万長者ランキングは、株式市場によって日々変動している。アメリカ人が総資産を政府に報告する制度や義務がないため、これらの数字はすべて推定値として見てください。

さて、ここからが本題だ。フォーブスによると、米国には724人の億万長者がいるが、カリフォルニア州には189人がおり、全体のおよそ4分の1を占めるという。

カリフォルニアの「オープンで実験的な文化」は、長い間、起業家を惹きつけてきたとウォーカーは言う。そのおかげで、映画や航空宇宙産業が盛んになり、もちろん技術産業も盛んだ。

フォーブス誌によると、カリフォルニアの億万長者の44%がハイテク産業で財を成し、次いで金融業が23%、不動産業が7%となっている。

カリフォルニア州で最も裕福な3人は、ハイテク業界の巨頭である。フェイスブックの生みの親であるマーク・ザッカーバーグ、グーグルの共同創業者であるラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンである。

ザッカーバーグはハーバード大学在学中にフェイスブックを発明したが、その後「シリコンバレーに移ったのは、そこが活気のある場所だからだ」とウォーカーは教えてくれた。「2世代、3世代、4世代にわたって、技術者ならシリコンバレーに来るということが続いている」

シリコンバレーには、億万長者を生み出す傾向があり、その結果、驚くような傾向が見られる。アメリカの富豪100人にランクインしたカリフォルニア州民26人のうち、19人がベイエリアに住んでいるのだ。

(南カリフォルニアで最も裕福なのは、アメリカで最も裕福な不動産王であるドナルド・ブレンである)

テスラ本社をテキサスに移したイーロン・マスクや、ハワイに移ったオラクルのラリー・エリソンなどが気になるところだろうか。しかし、彼らは例外であることがわかった。

フォーブスが報じたところによると、2021年に初めてカリフォルニアの億万長者リストに入ったのは35人で、その半数以上がテック業界に関係しているとのことだ。カリフォルニア州は依然として他のどの州よりも億万長者が多く、ニューヨーク州は126人で2位である。

バークレー法律ビジネスセンターのエグゼクティブディレクター、アダム・スターリングは、カリフォルニアで財を成した人々は、仕事や個人的なコミュニティに近いこの地に留まることを好むと述べている。億万長者なら、物価が高くても、税金が高くても、さほど抵抗はないのだろう、と彼は言う。

さらに、カリフォルニアの億万長者は、パーカーを着た裕福な技術者というイメージがあるが、ニューヨークのように富を受け継いだ人が多いところでは通用しないかもしれない。

「カリフォルニアは、粘着性が強い。ここは、億万長者のコミュニティがある場所なのだ」

Original Article: Why So Many Billionaires Live in California. © 2022 The New York Times Company.

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