再エネファンドが豪州東南部に1.2GWの世界最大の蓄電プロジェクトを発表

再生可能エネルギー専門ファンドであるCEP. Energy社は2月初旬、これまでに提案された世界最大の定格出力1,200MWのグリッドスケール電池プロジェクトを発表した。

再エネファンドが豪州東南部に1.2GWの世界最大の蓄電プロジェクトを発表

再生可能エネルギー専門ファンドであるCEP.Energy社は2月初旬、世界最大の定格出力1,200MWのグリッドスケール電池プロジェクトを発表した。

このプロジェクトは、再生可能エネルギーの送電網への導入を促進し、化石燃料からの脱却を加速させることを目的としており、オーストラリアの東海岸シドニーから北へ約150kmに位置するニューサウスウェールズ州のハンターバレー地域にある小さな町Kurri Kurriに設置される予定だ。この町は、産業再開発計画であるハンター経済圏内に位置している。

CEP.Energy社は、オーストラリア各地の異なる場所で合計2,000MWに達する4つの蓄電プラントを建設する計画で、地元の不動産開発グループHunter Investment CorporationとKurri Kurriのプロジェクトのために30年間のリース契約が締結されたばかりだと声明の中で述べている。

最大1,200MWという表現は重要であり、スキームの最終的な設計と規模はまだ開発中であり、同社はプロジェクトの計画容量と放電期間についてはまだ示していないことを意味している。それにもかかわらず、CEP. Energy の蓄電システムは、最近発足したばかりで、現在世界最大のバッテリー・エネルギー貯蔵システム(BESS)であるカリフォルニア州の300MW / 1,200MWhのMoss Landing Energy Storage Facilityよりも、定格出力では「最大」4 倍大きいだろう。

「CEP.Energyによってハンターのために計画されたものを含む大規模なバッテリーは、近くのリデル発電所を含む石炭やガス火力発電資産の段階的な引退によって残されたギャップを埋めるために主要な役割を果たすでしょう」とCEP.Energy会長のモリス・アイマ(元ニューサウスウェールズ州知事で元政治家)は述べた。

2022年初頭に着工し、2023年に完成すると予想されているため、それまでにさらに大きな計画が発表されたり、建設されたりする可能性もあるが、今のところ、このプロジェクトは規模の面でペースを握っている。

また、総合エネルギー企業のOrigin Energyが提案しているオーストラリアのもう一つのプロジェクトは、ニューサウスウェールズ州にある引退した石炭発電所に700MW/2,800MWhのバッテリーを設置するもので、フランスの開発会社Neoenは同州に500MW/1,000MWhのバッテリーストレージプロジェクトを建設する計画を申請している。ニューサウスウェールズ州政府は、数ギガワットの再生可能エネルギー・ゾーンを含む、膨大な量の再生可能エネルギーをネットワーク上に展開する野心的なロードマップを実施している。

Image via CEP. Energy

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