
AIが設計した“生体ロボット”は全く新しい自己複製方法を編み出した
2020年1月、バーモント大学の研究者らは初めて「生体ロボット」を作ったと発表した。2021年11月にはそのロボットが自己複製の新しい方法を発見したと発表した。
2020年1月、バーモント大学、タフツ大学、ハーバード大学の研究者らは初めて「生きたロボット」を作ったと発表した。2021年11月、彼らは、カエルの細胞から作られた「ゼノボット」と呼ばれるそのロボットが、自己複製の新しい方法を発見したという報告を発表した。
ミリメートルサイズのゼノボットは、基本的にはコンピュータで設計された約3,000個の細胞の集合体である。カエルの胚から幹細胞を取り出し、削り取って培養した後、切り開いて特定の形状に加工して作られた。その結果、細胞は自分自身で働き始めた。スライスされても自動的に修復され、シャーレの中を動き回る。
設計に少し手を加えれば、この生物はさらに多くのことができるようになることが判明した。バーモント大学の研究者であるジョシュア・ボンガード博士は、「適切な設計をすれば、自発的に自己複製を行うことができる」とコメントしている。
この繁殖は、通常の生物学的な繁殖とは異なる。この生物は運動学的に働きながら子孫を組み立て、孵化させているようだ。生物は泳いで単細胞を見つけ、数百の細胞を集め、パックマン型の口の中で「赤ちゃん」ゼノボットを組み立てる。口の中に入って数日後、新しいゼノボットは親と同じような見た目と動きをし、自分で新しい生き物を作る能力も持っている。

タフツ大学とハーバード大ワイス研究所の上級科学者で、Xenobotの「親」を組み立て、今回の研究の生物学的な部分を開発した、共著者のダグラス・ブラキストン博士は「これまで人々は、生命が繁殖したり複製したりする方法はすべて解明されたと考えてきた。これは、今までに観察されたことのないものです」と語っている。
タフツ大学の生物学教授兼アレン・ディスカバリー・センター所長で、今回の研究の共同リーダーであるマイケル・レビン博士は「これは非常に興味深いことだ。これらの細胞はカエルのゲノムを持っているが、オタマジャクシになることから解放され、その集合的な知性、つまり可塑性を使って、驚くべきことをしているのだ」。