中国で巨大洋上風力プロジェクトが動き出す

広東省潮州市が計画する洋上風力プロジェクトが、それだけでノルウェーの発電容量を超える見通しだ。中国は洋上風力発電市場で他国を圧倒的に引き離しているが、投資は長期的に続きそうであり、その傾向は今後より強まる可能性がある。

中国で巨大洋上風力プロジェクトが動き出す
Photo by Nicholas Doherty

広東省潮州市が計画する洋上風力プロジェクトが、それだけでノルウェーの発電容量を超える見通しだ。中国は洋上風力発電市場で他国を圧倒的に引き離しているが、投資は長期的に続きそうであり、その傾向は今後より強まる可能性がある。


広東省潮州市は、2025年までに43.3ギガワットのプロジェクトを開始する計画を持っている。中国の風力発電業界紙である、北極星風力発電網に掲載された同市の5カ年計画によると、潮州市の沖合75〜185キロに建設されるこの洋上風力発電所は、全長10km、数千基の強力なタービンが設置される

广东潮州“十四五”规划4330万千瓦海上风电!-第2页-北极星风力发电网
北极星风力发电网讯:10月20日,广东潮州市人民政府发布《潮州市能源发展“十四五”规划》,《规划》提出:因地制宜大力发展风电、太阳能和生物质能等可再生能源,提高可再生能源在能源供给结构中的比重,实现低碳发展。以海上风电为重点,积极推进风电开发。积极争取粤东千万千瓦级海上风电基地落户潮

この海域は風が強く、年間3,800〜4,300時間、つまり43〜49%の時間、タービンを稼働させるのに十分な強い風が吹く。このプロジェクトの工事は2025年以前に開始される予定だ。完成すれば、現在世界最大の風力発電所である、同じく中国にある20ギガワットの発電能力を持つ甘粛省酒泉市の風力発電基地をしのぐことになる。この計画では、プロジェクトにどれだけの費用がかかるかは明らかにされていない。

今年初めには、隣の福建省の漳州市が50GWの洋上風力発電を含む1兆元(1,380億ドル)のプロジェクトをした。BloombergNEFのデータによると、ノルウェーの2021年時点の設備容量は38GWだ。

中国は昨年、16.9GWの洋上風力発電容量を追加して記録を更新し、世界最大の洋上風力発電機群を誇っている。再生可能エネルギーは石炭や天然ガスなどの高価な化石燃料よりも安価であること、また習近平国家主席が2060年までにゼロエミッションを達成したいと考えていることから、電力会社や地方政府はこの発電方法の意欲的な拡大計画を継続している。

急成長する中国の洋上風力発電
中国の洋上風力の物理的なポテンシャルが大きい。ハーバード大の研究は、沿岸9地域の総エネルギー需要の36%を、コスト競争力のある価格で供給することが可能だと説明している。

中国では、陸上風力は急速な発展を遂げていたが、風力発電のための3つの主要地域である中国北西部、北部、北東部は飽和状態に近づいており、利用可能な土地が少なく、風力発電が抑制されている。そのため、同国の風力発電業界は洋上風力に注目するようになった。

ハーバード大学博士候補(球惑星科学専攻)のPeter Sherman、ハーバード大学工学部環境科学科教授Michael McElroyらの2020年の研究は、中国最大の洋上風力資源は福建省の沖合にあり、次いで浙江省、広東省、上海市、海南省にも相応の機会がある、と書いているが、向かいに台湾をがある福建省は、排他的経済水域(EEZ)の制約によって、洋上発電容量の機会が限定されている。したがって、広東省は最も養生発電開発の機会が地域の一つである。

潜在的な電力容量(左図)と平準化コスト(右図). Source: Peter Sherman, et al. (2020)
潜在的な電力容量(左図)と平準化コスト(右図). Source: Peter Sherman, et al. (2020)

環球時報によると、世界初の2,000トン級洋上風力発電設置プラットフォーム「Baihetan」が、中国南部の広東省広州市で正式に引き渡され、稼働を開始した。Baihetanは、世界最強の吊り上げ能力、最も深い運用水深、最大の変動荷重、最大のデッキ面積を持つ総合風力発電設置プラットフォームである。

Image via 中央广播电视总台

中国は洋上風力市場を独走している。洋上風力世界フォーラム(WFO)の2022年上半期の報告書によると、2022年上半期に世界で33の新しい洋上風力発電所が稼働(すべてのタービンが設置され、最初の発電が達成されたことを意味)し、そのうち25ヶ所が中国に、5 ヶ所がベトナムに、1 ヶ所が英国に、1 ヶ所が韓国に、そして1 ヶ所がイタリアに設置された。中国はこの期間における設置容量が2490万kWで、英国(1360万kW)、ドイツ(770万kW)、オランダ(300万kW)の合計を上回り、世界最大の洋上風力市場の地位を圧倒的に拡大したという。

Read more

新たなスエズ危機に直面する米海軍[英エコノミスト]

新たなスエズ危機に直面する米海軍[英エコノミスト]

世界が繁栄するためには、船が港に到着しなければならない。マラッカ海峡やパナマ運河のような狭い航路を通過するとき、船舶は最も脆弱になる。そのため、スエズ運河への唯一の南側航路である紅海で最近急増している船舶への攻撃は、世界貿易にとって重大な脅威となっている。イランに支援されたイエメンの過激派フーシ派は、表向きはパレスチナ人を支援するために、35カ国以上につながる船舶に向けて100機以上の無人機やミサイルを発射した。彼らのキャンペーンは、黒海から南シナ海まですでに危険にさらされている航行の自由の原則に対する冒涜である。アメリカとその同盟国は、中東での紛争をエスカレートさせることなく、この問題にしっかりと対処しなければならない。 世界のコンテナ輸送量の20%、海上貿易の10%、海上ガスと石油の8~10%が紅海とスエズルートを通過している。数週間の騒乱の後、世界の5大コンテナ船会社のうち4社が紅海とスエズ航路の航海を停止し、BPは石油の出荷を一時停止した。十分な供給があるため、エネルギー価格への影響は軽微である。しかし、コンテナ会社の株価は、投資家が輸送能力の縮小を予想している

By エコノミスト(英国)
新型ジェットエンジンが超音速飛行を復活させる可能性[英エコノミスト]

新型ジェットエンジンが超音速飛行を復活させる可能性[英エコノミスト]

1960年代以来、世界中のエンジニアが回転デトネーションエンジン(RDE)と呼ばれる新しいタイプのジェット機を研究してきたが、実験段階を超えることはなかった。世界最大のジェットエンジン製造会社のひとつであるジー・エアロスペースは最近、実用版を開発中であると発表した。今年初め、米国の国防高等研究計画局は、同じく大手航空宇宙グループであるRTX傘下のレイセオンに対し、ガンビットと呼ばれるRDEを開発するために2900万ドルの契約を結んだ。 両エンジンはミサイルの推進に使用され、ロケットや既存のジェットエンジンなど、現在の推進システムの航続距離や速度の限界を克服する。しかし、もし両社が実用化に成功すれば、超音速飛行を復活させる可能性も含め、RDEは航空分野でより幅広い役割を果たすことになるかもしれない。 中央フロリダ大学の先端航空宇宙エンジンの専門家であるカリーム・アーメッドは、RDEとは「火を制御された爆発に置き換える」ものだと説明する。専門用語で言えば、ジェットエンジンは酸素と燃料の燃焼に依存しており、これは科学者が消炎と呼ぶ亜音速の反応だからだ。それに比べてデトネーシ

By エコノミスト(英国)
ビッグテックと地政学がインターネットを作り変える[英エコノミスト]

ビッグテックと地政学がインターネットを作り変える[英エコノミスト]

今月初め、イギリス、エストニア、フィンランドの海軍がバルト海で合同演習を行った際、その目的は戦闘技術を磨くことではなかった。その代わり、海底のガスやデータのパイプラインを妨害行為から守るための訓練が行われた。今回の訓練は、10月に同海域の海底ケーブルが破損した事件を受けたものだ。フィンランド大統領のサウリ・ニーニストは、このいたずらの原因とされた中国船が海底にいかりを引きずった事故について、「意図的なのか、それとも極めて稚拙な技術の結果なのか」と疑問を呈した。 海底ケーブルはかつて、インターネットの退屈な配管と見なされていた。現在、アマゾン、グーグル、メタ、マイクロソフトといったデータ経済の巨人たちは、中国と米国の緊張が世界のデジタルインフラを分断する危険性をはらんでいるにもかかわらず、データの流れをよりコントロールすることを主張している。その結果、海底ケーブルは貴重な経済的・戦略的資産へと変貌を遂げようとしている。 海底データパイプは、大陸間インターネットトラフィックのほぼ99%を運んでいる。調査会社TeleGeographyによると、現在550本の海底ケーブルが活動

By エコノミスト(英国)