22年上半期の事業報告 - (株)アクシオン
ニュースアプリケーションのアクシオンは2022年上半期、非常に好ましい結果を残し、エンジェル投資家から集めた2,200万円で、通常なし得ない将来性を証明した。この会社は、さらに資金を調達すれば、急激な成長が約束されているだろう。あるいは、自己資金での運営に目処をつければ、あとは自らの力だけで成長していくはずだ。
要点
- ニュースアプリケーションのアクシオンは2022年上半期、非常に好ましい結果を残し、エンジェル投資家から集めた2,200万円で、通常なし得ない将来性を証明した。
- 米国や英国の一流メディアの翻訳とオリジナル記事で月160本の記事の供給を実現した。
- 最終的に14万の質の高いMAUを達成した。
- 獲得した有料購読者50人はこのビジネスに対して顧客がお金を払うことを実証したものである。
- これらは最小限の投資で作られたMVPとコンテンツ数で得られた結果である。有料のマーケティングは行っていない。
- 本格的な製品開発、コンテンツ獲得、マーケティングを実行すれば、急激な成長を享受できる可能性がある。
イントロダクション
どうも、株式会社アクシオンテクノロジーズ(以下、アクシオン)代表取締役の吉田拓史です。このブログでは、アクシオンの2022年上半期の事業報告を行います。弊社は2月決算のため、3〜8月が「上半期」です。
この事業報告は財務と製品、ビジネス指標、今後の展望の4つのセクションに分かれています。では早速みてみましょう。
1. 財務
上半期の主要な財務成績は以下の通り。暫定値であり、正式な会計ではないため「売上高」「営業利益」のような正式名称を避けてある。
- 売上:257,595
- 費用:9,483,638
- 営業収支:▲9,430,495
- 現金:7,712,782
年度初めより、Bloomberg、FT、NYT、The Economist、Scientific American などの海外出版社による記事の掲載を開始した。このため、3月から5月にかけては経費が増加した。この3ヵ月間のバーンレートは230万円に達している。現金・預金および現金同等物期末残高は、上期末の1,716万円から771万円に減少した。
この間、私一人でアクシオンを運営しながらも、大規模なコンテンツ供給が可能であることを示した。そのために必要な資本も少額で済みましたから、優雅な事業拡張性と効率性を備えていることは間違いないでしょう。
私は6月頃から資金調達活動の準備を始め、国内の機関投資家との交渉を勘案し、支出幅を圧縮することにした。これにより6〜8月の3ヶ月間ではバーンレートは76万円まで縮小したが、同時に十分な記事配信量を確保している(私の超低賃金、長時間労働によって賄われてはいるが)。
弊社は日本の業界の特性を踏まえた上で常に必要最低限のお金だけで運営する「籠城戦」を2019年から行っており、その経験は豊富だ。長時間労働のコツは神経質なほどに健康を管理することだ。
バーンレート76万円は下半期の9月以降も継続する予定だ。また、この損失の幅はコストカットで更に圧縮可能だ。4月の決算公告の時にも触れたが、弊社は恐ろしいほど安く運営されている会社である。
支出は通信費(下図、黄緑色)で表現されているコンテンツ費とソフトウェア費に集中している。コストの「84%」がこの中核的な分野に注がれている。弊社は世界一のボクサーのほまれ高い井上尚弥の試合前のような体をしているのだ。
より細かい情報は以下のグーグルスプレッドシートを参考にしていただきたい。
資金繰りレポート(Googleスプレッドシート)
損益レポート(Googleスプレッドシート)
※【留意点】本稿は税理士の精査前の財務情報であくまで暫定値である。追加的な収支が生じ、小さいながらもブレが加わる可能性もある。ただ、弊社は財務規模が小さく、細かい会計処理が存在しないため正確性は高い。
2. 製品
製品面でも様々な進展が見られ、この製品は2017年当時からその将来性を示していたが、それが3年かけてより前進している。
本製品はマーケティングに関する費用はほぼ計上していない。前記に使われた広告費は公募の周知のためのもので、本体の広告ではない。
アクシオンはウェブアプリケーションのみの展開だ。将来的にモバイルアプリケーションのような顧客との接点から、背後の機械学習パイプラインまで、システムを拡張する大いなる余地がある。
もしあくしおんが製品開発やマーケティングを増強すれば、収益拡大余地はかなり大きいはずだ。
2.1コンテンツ
ブルームバーグ(米)、エコノミスト(英)、フィナンシャル・タイムズ(英)、ニューヨーク・タイムズ(米)、サイエンティフィック・アメリカン(米)の記事の翻訳配信を2月から順次開始した。
月間コンテンツ供給数が最盛期で160〜200まで成長した。金融、経済にまつわる高品質な記事を大量に翻訳供給できることを証明した。吉田が翻訳とオリジナル記事作成を一人で行ったため、マージナル・コストが生じなかった。総投稿数は8月時点で2,700以上に到達している。
2.2 ユーザー
- 月間アクティブユーザー数(MAU):13万9,990(8/31時点)
- 有料購読者数:50人(9/14時点)
- ニュースレター登録者数:1012人(9/14時点)
ユーザー数は8月に大きな成長を遂げ、13万9,990に達した。これはWeb3やテクノロジー業界に関連した話題で、弊社の記事が既存ユーザー層の外側まで拡張したことを意味している。
2.21 ユーザーの属性
- 若い。25〜34歳が最も多く35〜44歳が次に多い、三番目は18〜24歳。ターゲットとする20〜40代と重なるユーザー層だ。日本の平均年齢48.6歳を下回っている。
- 男性がマジョリティ。男性が75%、女性が25%。
※年齢、性別は識別子cookieに基づいた推定。高い正確性は保証できない
- 日本語以外の言語設定:8.5%。アクシオンの記事は日本語のみにも関わらず、一部はユーザーは非日本語の言語設定を使っている。これは、日常的に英語を利用する、高リテラシーな日本語使用者がアクシオンを利用していることのシグナルと考えられる。
2.22【参考】ユーザー構成
これは2020年の調査時のデータ。ユーザー400人を無作為抽出して取得したデータを基に作成したバブルチャートである。円の大きさは数の多さを示している。
2.3 マーケティング費用計上せず
アクシオンは、マーケティング費用をほとんど計上していない。計上されている広告宣伝費は、製品のためではなく、エンジェル投資家からの資金調達のために使用されている。
3. ビジネス指標
- 月次経常収益(MRR):59,437円
- 有料購読者数(初月無料を除く):46
- 解約率(6ヵ月間平均):4.78%
- 顧客生涯価値(LTV、6ヵ月間平均):33,729円
※全て8/31時点
※MRR:ひと月に得られるサブスク収益
※解約率:ひと月で解約する有料会員の割合
※顧客生涯価値:これは平均的なサブスクリプション利用者から解約までに得られると見込まれる推定総売上額
3.1 コンバージョン・ファネル
支払いフォーム表示以降のファネル。
3.2 コンバージョン率
- 支払いフォームが表示されたユーザーのコンバージョン率:19.88%
- 支払いフォームの表示:171
- コンバージョン額:203,849円
4. 今後の展望
大まかにVCの出資を得る場合と得ない場合の2つのシナリオがある。
ベンチャーキャピタルの出資を得た場合は、製品開発とマーケティングに力を注げばいい。
出資を得ない場合は、有料購読者数を増やし、黒字化を目指すことになる。
弊社は非常に効率的に運営されており、その将来性は約束されたものだと私は(このプロジェクトが立ち上がった2017年9月から)信じている。そしてすでに十分すぎるシグナルを発してきた。国内はもとより、海外、エンジェル投資家への売り込み・交渉に今後も力を入れていきたい。それが叶わない場合は、自力で生き残る道を見つける必要があるだろう。
*2022年10月17日に全面的に改定。
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