ソフトバンクGはどこまで沈んでいるか?
ソフトバンクグループ(SBG)は資産を売却し、借りれるだけ借りようとしている。同社の苦境の「一端」は5月11日の決算発表で露見するだろう。同社の類まれな「複雑さ」が真実の大半を隠し続けるかもしれないが。

ソフトバンクグループ(SBG)は資産を売却し、借りれるだけ借りようとしている。資産の急激な縮小と負債比率の高まりが関係しているだろう。5月11日の決算発表はSBGの今後を占う上であまりにも重要だ。
SBG及びソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)1が100%保有する英半導体大手Armは、米国証券取引委員会(SEC)に、Armの普通株式を対象とした米国預託株式(ADS)の新規株式公開(IPO)に関するForm F-1のドラフトを非公開で提出したことを公表した。IPOの完了後もArmが引き続き連結子会社であることを想定しているという。
ブルームバーグが以前報じたところによると、銀行団は上場時の評価額を300億ドルから700億ドルの間で提示していたそうだ。NVIDIAとの取引では、付帯的な条項を排除すると、約320億ドルと値付けされた。当時は資本市場が熱気を帯びていたが、いまは冷めており、半導体不況の真っ只中でもある。ArmはRISC-Vというライバルの圧迫を受けている。
Armの上場には、時間的制約があったようだ。SBGによる英国規制当局への提出書類では「Armの親会社であるSBGの子会社が2022年3月に、Armの株式の75.01%を担保として80億ドルを借り入れる契約を金融機関と結んだことが明らかにされている」。この書類を調査したElectoronics Weeklyの報道によると、SBGが今年9月末までにArmを上場させるか、正式にIPOを申請しなければ、Armが債務を負担することになるというのが、この融資の条件だった。