米テック企業でレイオフと雇い止めが目立つ
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米テック企業でレイオフと雇い止めが目立つ

吉田拓史

パンデミック時に拡大した多くのテクノロジー企業が、米国経済の低迷に伴い、現在、従業員を解雇したり、雇用を停止したりしている。

米CBSテレビが引用した、産業界の人員削減を追跡しているLayoffs.fyiのデータによると、今年これまで、世界中のハイテク企業が合計3万5,000人を解雇している。特に急成長していた暗号通貨関連企業では、さらに多くの企業が突然、雇用計画を覆している。

米ビジネスメディアFastCompanyの推計によると、5月には、16,000人以上のテクノロジー企業の社員が解雇された。そして6月に入ってからは、さらに7,000以上のポジションが廃止された。

火曜日には、暗号通貨取引所のコインベースが18%、約1,100人の人員削減を行うと発表し、ブライアン・アームストロングCEOは「10年以上の好景気の後に不況に突入しているようだ」と警告している。彼は、時価総額130億ドル以上の上場企業が、2021年に暗号通貨ブームに便乗して規模を拡大したため、「急速に成長しすぎた」と語っている。米メディアViceの報道によると、コインベースは人員削減の前に、今月初めに約300人の新入社員の内定を取り消してもいる。

低迷はさまざまな企業に影響を与えている。コインベースの人員削減は、2021年に6倍近く成長した暗号通貨企業ブロックファイが約250人をレイオフすると発表した翌日に行われた。プライバシーとマーケティングの会社OneTrustは先週、950人の従業員を解雇し、Stitch Fixは330人を、ID認証の会社ID.meは130人を解雇した。交通機関のBirdも同様の人数を削減した。

ビットコインやイーサリアムなどの人気通貨の価値が急落しているため、リスクの高い暗号通貨分野の新興企業が解雇の最前線に立たされている。この影響は、ハイテク業界の有力企業にも及んでいる。MetaとTwitterは雇用計画を遅らせたり、一時停止したりしており、Netflix、Peloton、Robinhoodは従業員を解雇している。

しかし、テック職はいまだにブームが続いているとの見方もある。ニューヨーク・タイムズのShira Ovideによるニュースレターは、イテク技術を持つ人々の雇用市場は好調で、少なくとも今のところは好調が続いている、と主張している。Ovideが引用したZipRecruiter社の労働経済学者Julia Pollakによると、ある企業がハイテク技術者の解雇や採用凍結を発表するとすぐに、他の雇用主が彼らを探して採用しようとするのだという。人材派遣会社のロバート・ハーフによると、仕事を探している技術者1人あたり、平均して2つ以上の雇用のオファーがあるという。

ロバート・ハーフで技術系の採用を担当する地区社長のライアン・サットンは、「物事が減速していると言われると、『どのようなデータに基づいてか』と問いたくなる」と述べた。「誰もが株式市場が下落していると言いたがる。まあ、株式市場は必ずしも雇用の指標にはらないが......」

Ovideはテックワーカーへの需要について2つの大きな理由を主張している。一つは、企業が技術者をもっと雇いたいと思うのは長期的な傾向で、有能な候補者の数がそれに追いついていないことだ。もう一つは、パンデミック時の雇い止めから雇用パイプラインが復活していない企業があることだ。

クリプト(暗号通貨)界隈の労働市場の崩壊は本物だろう。しかし、もっと広くテック業界に範囲を広げると、必ずしも雇用の機会は消え失せてはいないようだ。少なくとも今のところは。

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