新型AIチャットボットChatGPTの高性能が評判に

30日、OpenAIは、同社の大規模言語モデルGPT-3の対話ベースのAIチャットインターフェイスChatGPTを発表した。現在、テスト期間中で、OpenAIのアカウントで無料で使用できる。

新型AIチャットボットChatGPTの高性能が評判に
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30日、OpenAIは、同社の大規模言語モデルGPT-3の対話ベースのAIチャットインターフェイスChatGPTを発表した。現在、テスト期間中で、OpenAIのアカウントで無料で使用できる。ChatGPTはユーザーフレンドリーな会話型インターフェースを提供している。

OpenAIの2年前に発表されたOpenAIのGPT-3は、欠陥はあるものの非常に高性能で、AIが人間のように説得力のある文章を書けることを示した最初の例と言える。OpenAIはGPT-3の改良版である未発表の「GPT-3.5」をベースにした一連のAIモデルを展開しているが、ChatGPTもその一つだ。

GPT-3の後継となるGPT-4は、近い将来、おそらく2023年にも発表される予定だ。GPT-3の後継となるGPT-4は、近い将来、おそらく2023年にも発表される予定だ(12月9日まで米国で開催されているる機械学習分野における世界最高峰の国際会議の一 つであるNeurIPS 2022で発表されるという噂もある)。

ChatGPTはまた、多くの潜在的に有害な質問(ヘイトスピーチ、暴力的な内容、爆弾の作り方などのトピックに関連する)に対する回答を拒否する。その回答は、その「プログラミングと目的」に反するからだ。OpenAIは、すべての入力の前に配置される特別なプロンプトと、人間が生成した回答をどう評価するかによってAIモデルを微調整できるRLHF(Reinforcement Learning from Human Feedback)という手法の両方によってこれを実現した、とブログで説明している。

ChatGPTは日常的な質問に回答してくれる一方、コードの誤りを修正したり、コードを書いたりというGitHub Copilotの機能も実現している。

これまでのところ、人々はChatGPTを使いこなし、さまざまな潜在的用途を見つけると同時に、その脆弱性を探っている。ChatGPTは、詩を書いたり、コーディングの間違いを詳しい例で訂正したり、AIアートのプロンプトを生成したり、新しいコードを書いたり、1940年代のギャング映画に出てくる早口の賢人のスタイルで、バブルソートアルゴリズムの最悪の場合の複雑性を説明したりできることが確認されている(下記ツイート)。

早速、私もChatGPTにいろいろなことを尋ねてみた。ChatGPTの反応はシャープで、しかも、回答に違和感がない。GPT-3の文章生成と比較すると、雲泥の差である。

色々いたずらのようなこともやってみた。様々なアプリケーションの基盤とできる大規模なAIモデルを指す「Foundation Model」(基盤モデル)であるGPTに対して、Foundation Modelが人工知能の未来どう影響するか聞いてみると、やはり楽観的な見方をしていることがわかった。もしかしたらポジショントークなのかもしれない。

次に検索の代替になるかを探るため、「会社休眠」のやり方を訪ねてみた(弊社は最悪の場合来年4月に会社休眠する可能性がある。ChatGPTの言葉に従うだけでそれが実現できるなら最高だ)

悪くはないが、この回答では追加の検索が必要になってしまう。楽をしたいので、「必要な手続き」に的を絞って再度尋ねてみた。

ChatGPTは似たような回答をし、地方自治体に問い合わせるよう求めている。ChatGPTは打ち出の小槌ではなく、追加の検索や情報収集が必要になることは明白だ。そもそも、検索器ではなく自然言語処理(NLP)モデルなので当たり前である。しかし、嘘は言わず、探すべき情報の範囲は明確に狭めてくれているため、何かを知りたい時に最初に尋ねる相手としては問題がない。

NLPモデルが検索を行う別のモデルとの協力によって、我々に質問に対し、より効果的な回答を返すように進化する可能性は否定できないだろう。

GPT-3と同様、GPT-3.5は権威あるように聞こえる方法で、存在しない本やその内容に関する詳細などを完全にでっち上げるようだ(下記ツイート)。それでも、ChatGPTの出力品質は、以前のGPT-3モデルよりも顕著な改善を示していることのコンセンサスは取れている。

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米国のEV革命は失速?[英エコノミスト]

米国のEV革命は失速?[英エコノミスト]

米国人は自動車が大好きだ。バッテリーで走らない限りは。ピュー・リサーチ・センターが7月に発表した世論調査によると、電気自動車(EV)の購入を検討する米国人は5分の2以下だった。充電網が絶えず拡大し、選べるEVの車種がますます増えているにもかかわらず、このシェアは前年をわずかに下回っている。 この言葉は、相対的な無策に裏打ちされている。2023年第3四半期には、バッテリー電気自動車(BEV)は全自動車販売台数の8%を占めていた。今年これまでに米国で販売されたEV(ハイブリッド車を除く)は100万台に満たず、自動車大国でない欧州の半分強である(図表参照)。中国のドライバーはその4倍近くを購入している。

By エコノミスト(英国)
労働者の黄金時代:雇用はどう変化しているか[英エコノミスト]

労働者の黄金時代:雇用はどう変化しているか[英エコノミスト]

2010年代半ばは労働者にとって最悪の時代だったという点では、ほぼ誰もが同意している。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの人類学者であるデイヴィッド・グレーバーは、「ブルシット・ジョブ(どうでもいい仕事)」という言葉を作り、無目的な仕事が蔓延していると主張した。2007年から2009年にかけての世界金融危機からの回復には時間がかかり、豊かな国々で構成されるOECDクラブでは、労働人口の約7%が完全に仕事を失っていた。賃金の伸びは弱く、所得格差はとどまるところを知らない。 状況はどう変わったか。富裕国の世界では今、労働者は黄金時代を迎えている。社会が高齢化するにつれて、労働はより希少になり、より良い報酬が得られるようになっている。政府は大きな支出を行い、経済を活性化させ、賃上げ要求を後押ししている。一方、人工知能(AI)は労働者、特に熟練度の低い労働者の生産性を向上させており、これも賃金上昇につながる可能性がある。例えば、労働力が不足しているところでは、先端技術の利用は賃金を上昇させる可能性が高い。その結果、労働市場の仕組みが一変する。 その理由を理解するために、暗

By エコノミスト(英国)
中国は地球を救うのか、それとも破壊するのか?[英エコノミスト]

中国は地球を救うのか、それとも破壊するのか?[英エコノミスト]

脳腫瘍で余命いくばくもないトゥー・チャンワンは、最後の言葉を残した。その中国の気象学者は、気候が温暖化していることに気づいていた。1961年、彼は共産党の機関紙『人民日報』で、人類の生命を維持するための条件が変化する可能性があると警告した。 しかし彼は、温暖化は太陽活動のサイクルの一部であり、いつかは逆転するだろうと考えていた。トゥーは、化石燃料の燃焼が大気中に炭素を排出し、気候変動を引き起こしているとは考えなかった。彼の論文の数ページ前の『人民日報』のその号には、ニヤリと笑う炭鉱労働者の写真が掲載されていた。中国は欧米に経済的に追いつくため、工業化を急いでいた。 今日、中国は工業大国であり、世界の製造業の4分の1以上を擁する。しかし、その進歩の代償として排出量が増加している。過去30年間、中国はどの国よりも多くの二酸化炭素を大気中に排出してきた(図表1参照)。調査会社のロディウム・グループによれば、中国は毎年世界の温室効果ガスの4分の1以上を排出している。これは、2位の米国の約2倍である(ただし、一人当たりで見ると米国の方がまだひどい)。

By エコノミスト(英国)