BYD、販売台数の急伸でテスラのライバルに
中国EVメーカーである比亚迪(BYD)は、EV販売台数の驚異的な伸びを報告し、注目を浴びている。2020年以降の同社の成長と、最近の海外市場への進出をみると、BYDは販売台数ではテスラを凌駕するシナリオを歩んでいる。
中国EVメーカーである比亚迪(BYD)は、EV販売台数の驚異的な伸びを報告し、注目を浴びている。2020年以降の同社の成長と、最近の海外市場への進出をみると、BYDは販売台数ではテスラを凌駕するシナリオを歩んでいる。
BYDは香港証券取引所への提出書類で、9月の最新のEV販売台数を公開した。BYDは、先月、中国でなんと9万4,941台のバッテリーEV(BEV)を販売し、2021年9月(3万6,306台)と比較して214.45%増加したとしている。
BYDは全体として、9月だけで20万1,259台の新エネルギー車(NEV)を販売し、これは中国の自動車メーカーにとって記録的なことで、初めて単月で20万台を突破したメーカーとなった。さらに、9月の販売台数は7ヶ月連続で過去最高を記録している。BEVの総販売台数は、2021年9月と比較して185%以上増加している。
9月はBYDの新エネルギー車「DINASTY(王朝)」シリーズと「海洋家族」が販売の牽引役だった。 上海証券報によると、王朝シリーズの「漢」は9月に3万1497台を販売し、累計販売台数が33万台を突破、「唐」は1万5,058台で累計38万台、「宋」は4万6,475台で累計134万台、「秦」は3万9,515台で累計76万台、「元」は2万3,503台で累計37万台、「海洋家族」の「印」は7,473台で累計38万台と、いずれも販売台数が伸びている。「海洋家族」の9月の販売台数は、「SEAL(海豹)」が7,473台、「護衛艦05」が9,101台、「DOLPHIN(海豚)」が2万4,956台だった。
テスラも、第3四半期の納車台数を発表している。2022年第3四半期のテスラの世界累計販売台数は34万3,830台で、前年同期比3%増となった。発表によると、モデル別では、テスラは第3四半期にモデル 3 / Yを32万5,200台、モデル S / Xを1万8,700台納車した。
プラグイン・ハイブリッドを含むNEVのものさしでは、BYDはテスラに勝っている。BYDの第3四半期までのNEVの累積販売台数は53万7164台で、前年同期比187.01%増となる。20万台近い圧倒的な差をつけて世界のNEV市場をリードしているとも言える。
BEVでは依然としてテスラの独走が続いているが、BYDの価格帯はテスラのそれより低く、市場のボリュームゾーンに当たり、また本拠地の中国市場がEV販売を牽引していることからも、販売台数ではいずれテスラを抜くシナリオはありうる。
BYDは急速な生産能力増強を進めている。生産能力については、現在、深圳、西安、長沙、常州、福州、合肥、済南、鄭州の8拠点で、合計300万~350万台を計画している。 上海証券報が引用した業界専門家の分析によると、BYDの2022年の実際の年間生産能力は、試運転や工場建設の進捗状況などを考慮すると、170万台となる可能性がある。
BYDは年末までに月28万台の納車を目指すというが、この専門家は10月は20万6,000台、11月は21万9,000台、12月は24万台と予想している。
先月末、BYDはEU市場向けにHan(漢)、Tang(唐)、Atto 3の3種類のEVを正式に発表した。 現在、これらの市場には、ベルギー、デンマーク、ドイツ、ルクセンブルク、オランダ、ノルウェー、スウェーデンが含まれている。また、BYDは、日本での販売計画も発表している。BYDの販売台数は2022年まで増加傾向にあり、特に70万台の販売残があると報告されている。