ビッグテックによる現金報酬の積み増し競争
グーグルは新しいボーナス制度を採用し、アマゾンはインフレと競争激化の中で株式の魅力が薄れ、基本給上限を倍増させた。いま、ビッグテックによる引き抜き合戦の中で、現金報酬の重要性が再び高まっている。

シリコンバレーのテクノロジー企業は長い間、大学や中小企業からエンジニアリングやソフトウェア・プログラミングの才能を吸い上げようと競い合ってきた。しかし、いまや、これらの企業は、互いの優秀な従業員を引き抜こうとする動きを強めている。その中で伝統的な手段の価値が再発見されている。現金報酬だ。
例えば、フェイスブックの親会社であるメタ・プラットフォームズは、代替現実技術の経験豊富なスタッフを採用する取り組みを強化し、ライバル企業に賃上げ圧力を強めている。
マイクロソフトの拡張現実(AR)ゴーグル「HoloLens」チームの元社員70人以上がこの1年でを辞めていることがウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の報道で判明したが、そのうち40人以上が、仮想現実(VR)に大きく舵を切っているメタに入社したことが、リンクトインのプロフィールで示されているという。