前回の記事ではデータブローカーに当局の規制が迫っており、奔放なマーケティング利用が困難になっていることを記述しました。今回はデータブローカーとFacebookの広告システムのデータ統合について説明します。

AcxiomやExperianなどのデータブローカーは、さまざまなソース(有権者記録、車両登録、ロイヤルティカード[会員/ポイントカード]など)に基づいて、人々の活動に関する情報を収集、集約、およびリンクしてきました。

彼らのビジネスモデルは、この情報を銀行、保険会社、政治キャンペーン、マーケティング担当者などの第三者に販売することです。データブローカーの収集慣行は、現在進行中のプライバシー議論の対象となっています。たとえば、データブローカーは通常、データを購入した顧客だけにデータセットやそこから得られた洞察を利用できるようにします。そのデータを発言した一般市民には何も開示しませんし、その存在を隠そうとすらしてきました。データブローカーのWebサイトにある文言は、実際に所有しているデータのほんの一部しか報告していないのです。

Acxiom、Epsilon、Datalogix(現在はOracle Data Cloudの一部)などの一部のデータブローカーは、消費者データを集約してマーケティング担当者や広告主に販売することを目指していますが、Experianなどの他の企業は、信用調査報告書の作成に重点を置いています。

データブローカーによって収集されるデータは多様で、多くの場合機密性が高い。これには、人種や職業などの人口統計情報、年齢や子供の数などの世帯特性、収入や純資産などの財務情報、離婚などの生活上の出来事、財産、住宅ローン、投資に関する信用関連情報が含まれます。収集されるその他の情報には、病気、常用する医薬品、視覚障害、健康指標など、健康に関連する機密情報が含まれます。

データブローカーは、収集するデータを高レベルの情報を抽出して、企業に提供します。たとえば、Acxiomは「世界のオンライン人口の68%を包括的に表す」ために、「62か国以上、25億のアドレス指定可能な消費者、10,000を超える属性を含む」のデータコレクションの存在を明らかにしています。同様に、Epsilonはそのデータが「事実上すべての米国の世帯」をカバーすることを明らかにし、Experianは「約2億2,000万の米国消費者および2500万の米国の事業に関する信用情報」、もしくは「約2億人の米国全土の生活単位の情報」、「米国およびカナダの6億5,000万台以上の車両に関する情報」等を提供します。

並行して、FacebookやGoogleなどのオンラインサービスは、人々のオンライン活動に関する情報を収集しています。彼らのビジネスモデルは、このデータを使用して広告主にきめ細かいターゲティング機能を与える、広告プラットフォームを提供することです。近年、データブローカーとオンラインサービスの連携が深まり、オンラインユーザーのデータをオフラインで収集されたデータとリンクできるようになりました。

これにより、オンラインサービスは、ユーザーのオフライン情報とリンクしたターゲティング機能を広告主に提供できます(たとえば、広告主は自分の資産額、購買行動などに基づいてユーザーをターゲティングできます)。広告プラットフォームは、データブローカーが提供する属性を使用して作成されたオーディエンスなど、広告主がターゲットに設定できるオーディエンスに関する統計情報を広告主に提供します。オフラインとオンラインのデータの統合は、広告プラットフォームが、プロクター・アンド・ギャンブルやユニリーバのような大手広告主の要望に応える形で、拡大してきました。が、ケンブリッジ・アナリティカ事件以降、プライバシーに関する議論の重要な論点になりました。Facebookに対しこれらの機能の追加を要望した大手消費財メーカーは、データブローカーをめぐる騒動の避難対象には含まれません(彼らが巨大な広告予算をメディアに投入するからでしょうか。考えすぎかも知れません)。

Facebookのターゲティング

Facebookは、最も成熟したデジタル広告システムの1つです。

同社はユーザーデータを活用して、広告主がオーディエンスを広告でターゲティングできるようにします。オーディエンスを指定する場合、広告主はターゲットとするユーザーの場所(国、都道府県、郵便番号など)、年齢範囲(13〜65歳以上)、性別を指定する必要があります。さらに、広告主は、1000個以上の属性を含むリストから選択して、特定の属性を持つユーザーを含めるか除外するかを選択できます。これらのうち、600の属性はFacebookから取得され、すべての国に存在しますが、他の属性はデータブローカーから取得され、国によって異なる場合があります。

広告主がターゲティングするユーザーの特定の属性を指定すると、Facebookは広告主に、ターゲティング基準を満たすアクティブユーザーの数を表すサイズ推定値を提供します。 以前の研究では、潜在的なリーチは、一致するユーザーの数を有効数字2桁に四捨五入することによって計算されることがわかりました。

Facebookは、そのプロファイルを「パートナーカテゴリ」としてデータブローカー(Facebookマーケティングパートナーとも呼ばれる)のオフライン情報とリンクすることを推奨します。Facebookは、パートナーカテゴリは「米国、ブラジル、フランス、ドイツ、英国、オーストラリア、および日本に居住する視聴者を対象とする人々が利用できる」と報告しています。これには、Acxiom、Acxiom Japan、CCCマーケティング、Epsilon、Experian、Oracle Data Cloud、Quantiumのデータが含まれます。Facebookは2018年春、ケンブリッジ・アナリティカス事件を契機に、これらのパートナーシップを2018年10月に終了しました。

基本的に、正確なターゲティングを有効にするには、パートナーのデータベースのIDをFacebookのユーザーデータベースに正しくリンクする必要があります。正確なリンク手法は公開されていませんが、Facebookはユーザーの一意の識別子に基づいていると説明しています(識別子で管理される個人情報は、匿名化されているものの、国勢調査や有権者名簿を基にした実世界のデータとリンクできるということは…[想像をたくましくしてください])。Facebookはユーザーの人口統計データ、属性情報を取得しているほか、プラットフォーム上の行動を基にその人の性的指向性格を理解する手段も有しています。

あなたをあなただと特定することは簡単だったし、これからも簡単です。

参考文献

Acxiom Global Coverage.

Acxcom. Acxiom Expands its Healthcare Solutions Portfolio with New Patients Insights Package. 6. Mar. 2018.

Acxicom. Facebook Custom Audience.

Acxiom. [ACXIOM DATA CATALOGUE](https://www.axion.zone/p/aac814cf-2737-4191-b899-532d029ce280/[https://marketing.acxiom.com/rs/982-LRE-196/images/Data Catalogue for Audience Creation and Analytics_UK.pdf](https://marketing.acxiom.com/rs/982-LRE-196/images/Data Catalogue for Audience Creation and Analytics_UK.pdf)).

A. Andreou, G. Venkatadri, O. Goga, K. P. Gummadi, P. Loiseau, and A. Mislove. Investigating Ad Transparency Mechanisms in Social Media: A Case Study of Facebook’s Explanations. NDSS, 2018.

Giridhari Venkatadri. Alan Mislove. Krishna P. Gummadi. Treads: Transparency-Enhancing Ads. 2018.

Giridhari Venkatadri, Piotr Sapiezynski, Elissa Redmiles, Alan Mislove, Oana Goga, Michelle Mazurek, Krishna Gummadi. Auditing Offline Data Brokers via Facebook’s Advertising Platform. 2019.

Emilu Steel. Acxiom to create ‘master profiles’ tying offline and online data. 24. Sep. 2013. The Financial Times.

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