NVIDIA、予想上回る超好決算:AIブームの最大受益者
NVIDIAは売上高から純利益に至るまで、すべてにおいて新記録を樹立し、記録的な四半期となった。ゴールドラッシュに対してスコップを売る同社が、現時点でブームの最大の受益者であることは間違いがない。
NVIDIAは米国時間23日、7−9月期の決算報告を行い、前年同期比101%増の135億ドルの売上高を計上した。利益率の高いデータセンター向け製品に牽引され、NVIDIAは当四半期の GAAP 粗利率 70.1%を達成した。記録的な売上高と相まって、NVIDIAの純利益は、前年同期比843%増の61億ドルとなり、前四半期比では3倍以上となった。
NVIDIAが8−10月期の売上高が約160億ドルになると発表した後、株価は延長取引で6%以上急騰した。ブルームバーグがまとめたデータによると、アナリストの同期間における売上高の予想は125億ドルに過ぎなかった。NVIDIAの予想がうまくいけば、GAAPベースの売上総利益率は71.5%となる。加えて同社は、250億ドルの自社株買いを追加承認した。
NVIDIAのデータセンター向けチップ部門は、かつては副業であったが、今では最大の稼ぎ頭となっている。同部門は、AI分野における大規模言語モデル(LLM)の開発と、それに伴うモデルの訓練と実行が可能な高性能プロセッサに対する需要の急増を背景に、特にこの1年で飛躍的に成長した。
同部門の売上高は、アナリストのコンセンサス予想79億8,000万ドルに対し、103億ドルだった(前期比141%増、前年同月比171%増)。この3四半期の間に2.7倍になっている。
現時点でNVIDIAは、「GH100」ベースの製品の生産を全速力で進めており、フィナンシャル・タイムズの報道が正しければ、同社は現在、2024年に150万ユニット以上の出荷を見込んで、GH100の生産量を3倍に増やそうとしている。
NVIDIAの最先端AIプロセッサを独占的に製造している台湾積体電路製造(TSMC)は先月、AIサーバー用チップの需要は今後5年間、毎年50%近く成長すると予測した。
供給の逼迫は続きそうだ。TSMCは、NVIDIAの「H100」の製造に必要な先進パッケージング技術であるCoWoSの生産能力を倍増させる計画だが、少なくとも2024年末まではボトルネックは解消されないと警告している。CoWoSを使用すると、複雑な多段階の高精度エンジニアリング・プロセスが追加されるため、GPUの生産速度が低下する。これらの状況は、NVIDIAのDGXシステム担当バイスプレジデント兼GMであるチャーリー・ボイルが独メディアComputerBaseに対して認めている。
魏哲家最高経営責任者(CEO)は先月の決算説明会で「特にCoWoSについては、キャパシティが非常に厳しく、顧客が必要とするものを100%満たすのは非常に困難」とし、供給の逼迫はおおよそ2倍の生産能力が追加されることで、来年末に解消されると予想した。