RISC-V向けAndroidの開発が進展しArmの牙城を脅かす

Googleは、命令セットアーキテクチャ「RISC-V」向けAndroidを開発していることを公式に明らかにした。ソフトバンクグループのArmにとっては、携帯電話や車載エンタテインメントのような広範な範囲でRISC-Vの挑戦を受けることを意味する。

RISC-V向けAndroidの開発が進展しArmの牙城を脅かす
Photo by Denny Müller

Googleは、命令セットアーキテクチャ「RISC-V」向けAndroidを開発していることを公式に明らかにした。ソフトバンクグループのArmにとっては、携帯電話や車載エンタテインメントのような広範な範囲でRISC-Vの挑戦を受けることを意味する。


12月中旬に米カルフォルニア州サンジョゼで開催されたRISC-Vサミット2022で、Androidのエンジニアリング担当ディレクターであるLars Bergstromのスライドでは、Androidプラットフォームの開発を指導するGoogleのイニシアチブであるAndroid Open Source Project(AOSP)のRISC-Vにおけるロードマップを明らかにした。

現時点では、非常に限定されたバージョンのAndroid for RISC-Vをダウンロードすることができるが、ARTはサポートされていない。 しかし、BergstromがRISC-Vサミットで示したスライドでは、「2023年初頭までに初期エミュレータをサポートし、第1四半期中にJavaワークロードのAndroid ランタイム(ART)をサポートする」ことが約束されている。Androidは64ビットのみをサポートする、とBergstromは述べている。

Bergstromは、RISC-V上で最適化されたAndroidビルドを実現するには「多くの作業」が必要で、実現には「数年」かかるとロードマップの概要を述べている。

AOSPは9月30日に公式にRISC-V向けAndroidのパッチを受け付けはじめた。これまでAlibaba Cloudは、Bionic C、システム、フレームワーク、ツールチェーン、サードパーティ製外部モジュールなど、合計76件のパッチをAOSPに提出し、そのうちシステムおよびBionic Cのモジュールに関する30件はAOSPに統合されている。

Aibaba CloudがRISC-V向けAndroidを牽引

RISC-V向けのAndroid開発は、半導体をめぐる米国の圧力を受けている中国で、「本家」のAOSPに先行する形で2020年頃から行われてきた。米中のデカップリングが進む中、RISC-Vインターナショナルは拠点を米国からスイスに動かしたことで、中国が安心して使える命令セットアーキテクチャ(ISA)の地位を確保した。

中国科学院とAlibaba Cloudのクラウド部門とチップ子会社T-Headは、2020年にAndroid 10をRISC-Vアーキテクチャに移植し始めた

Alibaba CloudはAndroidの移植に1年以上を費やし、2021年1月に、独自のRISC-Vチップを設計するAlibaba子会社のT-Head Semiconductorが設計したシリコン上で動作するAndroid 10を搭載したGUIを公開した。

アリババがRISC-Vチップに投資する理由
国際情勢に影響を受けないクラウドビジネスの構築

Alibaba Cloudは今年4月にはAndroid 12への移植を明らかにし、オーディオやビデオの再生、Wi-FiやBluetoothラジオの実行、カメラの駆動が可能なことを示した。また、機械学習(ML)ライブラリTensorFlow LiteのRISC-V上での試用に成功したことも明らかにした。

Alibaba Cloudは、移植の取り組みが特定のプロセッサに向けられたものであるかどうかを詳しく説明しなかった。だが、グループ企業のT-Headの中国産チップXuantie C906プロセッサは、IoTデバイスに特化したAIベンチマーク「MLPerf Tiny v0.7」の最新の調査結果で、最高点を獲得している。

T-Headは、RISC-Vサミット2022で、同社のRISC-VチップでAndroid互換のデモを行ったと中国メディアIT之家は報じている。T-HeadのプロトタイプチップセットTH1520上でネイティブに動作するオープンソース版のAndroid 12は、メディア再生、3Dレンダリング、AIを実行することに成功したという。「2つのシステムの統合によるエコシステムの欠点をよりよく補うために、T-Headはテスト、パフォーマンスの最適化、オープンソースのコラボレーションに注力し、根本的な問題を解決しようとしている」 とRISC-V International FoundationのAndroid Technology Groupの議長であり、T-HeadのエンジニアであるMao Hanは語っている。

AndroidをRISC-Vに移植することにより、モバイルだけでなく、Android Automotiveが提供する車載エンターテイメントに至るまで、消費者中心の幅広いユースケースをサポートできるようになる。Alibaba Cloudは中国産RISC-Vはすでにスマート家電、自動車、エッジコンピューティングに採用されていると主張している。

2021年のGoogle I/Oでは、Googleのプロダクトマネジメント担当バイスプレジデントであるSameer Samatは30億台以上のアクティブなAndroid端末が存在する、と語っている。RISC-Vが、Armが覇権を握る広大な市場に本格的に参入する日は遠くないかもしれない。

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アドビ、日本語バリアブルフォント「百千鳥」発表  往年のタイポグラフィー技法をデジタルで再現

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アドビは4月10日、日本語のバリアブルフォント「百千鳥」を発表した。レトロ調の手書き風フォントで、太さ(ウェイト)の軸に加えて、字幅(ワイズ)の軸を組み込んだ初の日本語バリアブルフォント。近年のレトロブームを汲み、デザイン現場の様々な要望に応えることが期待されている。

By 吉田拓史
新たなスエズ危機に直面する米海軍[英エコノミスト]

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By エコノミスト(英国)
新型ジェットエンジンが超音速飛行を復活させる可能性[英エコノミスト]

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1960年代以来、世界中のエンジニアが回転デトネーションエンジン(RDE)と呼ばれる新しいタイプのジェット機を研究してきたが、実験段階を超えることはなかった。世界最大のジェットエンジン製造会社のひとつであるジー・エアロスペースは最近、実用版を開発中であると発表した。今年初め、米国の国防高等研究計画局は、同じく大手航空宇宙グループであるRTX傘下のレイセオンに対し、ガンビットと呼ばれるRDEを開発するために2900万ドルの契約を結んだ。 両エンジンはミサイルの推進に使用され、ロケットや既存のジェットエンジンなど、現在の推進システムの航続距離や速度の限界を克服する。しかし、もし両社が実用化に成功すれば、超音速飛行を復活させる可能性も含め、RDEは航空分野でより幅広い役割を果たすことになるかもしれない。 中央フロリダ大学の先端航空宇宙エンジンの専門家であるカリーム・アーメッドは、RDEとは「火を制御された爆発に置き換える」ものだと説明する。専門用語で言えば、ジェットエンジンは酸素と燃料の燃焼に依存しており、これは科学者が消炎と呼ぶ亜音速の反応だからだ。それに比べてデトネーシ

By エコノミスト(英国)