Stripeの未上場株に長蛇の列

2020年には毎秒5,000件以上のリクエストを処理

Stripeの未上場株に長蛇の列

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要点

決済サービス大手Stripeの未上場株にプライベート投資家の長蛇の列ができている。パンデミックでインターネット決済が急増し、そのインフラを広く提供する同社の業績は急激に成長してきた。


ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙が月曜日に報じたところによると、決済サービスを提供するStripe社は、同社の株式を既存株主から大幅に買い取る機会を投資家に提供し始めた。

投資家の入札額は40億ドルを超えたが、成立したのは10億ドル程度で、「Stripeの既存株主の多くが、同社株の上昇はまだ続くだと考えていることを示唆している」と同紙は伝えている。

最大の買い手は、Stripe社の最大の顧客であるShopify、ベンチャーキャピタルのSequoia、投資信託のCapital Group、バイアウト企業のSilver Lakeだと、情報筋は同紙に語っている。

WSJは「今回のオファーについて、記事は同社が従業員や投資家から直面していた、すぐにでも株式を公開しなければならないというプレッシャーを解消できるはずだ」と記している。同社は、今年の後半か2022年の初めに新規株式公開(IPO)を目指す可能性がある、と報じている。

シリコンバレーには新たな投資先を求める投資家がうようよしているが、Stripe社は少し際立っているようだ。電子商取引の決済を処理する同社は、COVID-19のパンデミックとそれに伴うオンラインショッピングの盛り上がりの中で、業績を急上昇させた。パンデミックが始まってから今年の初めまでの間に、20万社以上の企業がStripeに登録し、2020年には同社のシステムが毎秒5,000件以上のリクエストを処理するようになったという。

今年初めにStripeは6億ドルの資金調達ラウンドを経て、3月にシリコンバレーで最も価値のある民間企業となり、企業価値は950億ドルに達した。1,150億ドルの企業価値とする報道も存在する。

5月、Stripeは、収益プラットフォームの利用範囲を拡大するための一連の製品アップデートを発表した。その中には、電子メール、ニュースレター、ソーシャルメディアなど、さまざまな手段でユーザーに支払いを送信できる完全な支払いページを構築できる「Payment Links(ペイメントリンク)」も含まれている。(弊社のStripeのペイメントリンクはこちら。上質なジャーナリズムを毎月支援することができます)

Stripeは2021年最大のIPOになる
2021年も巨大な新規株式公開(IPO)が控える年になりそうだが、Stripeは近い将来に株式を公開する可能性のある最もホットな新興企業だ。同社のコアビジネスは、オンライン企業向けの決済処理サービスだ。

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