2021年の企業の資金調達額、12兆ドル超える
2021年は、中央銀行の景気刺激策とパンデミックからの急速な回復により、多くの世界の市場が上昇し、企業は株式の売却、債券の発行、新規ローンの締結により、記録的な12.1兆ドルの資金を調達した。
要点
2021年は、中央銀行の景気刺激策とパンデミックからの急速な回復により、多くの世界の市場が上昇し、企業は株式の売却、債券の発行、新規ローンの締結により、記録的な12.1兆ドルの資金を調達した。
データプロバイダーRefinitivのデータをもとにフィナンシャル・タイムズ(FT)が算出したところによると、2021年の資金調達額は歴史的な年であった2020年と比べて17%も増加しており、コロナウイルス流行前の2019年と比べても約4分の1の増加となっている。特に米国では5兆ドルの資金調達が行われた。
パンデミックが深刻化する中、米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)などの中央銀行が大規模な債券購入プログラムを実施したことで、借入コストは歴史的な低水準になり、企業が新たな投資家や貸し手を開拓するのに非常に有利な環境となった。
欧米では高格付け社債の販売が鈍化した。多くの優良企業グループは2020年にすでに資金を調達していたためだ。社債の販売総額は3%以下の5.5兆ドルに減少したが、ジャンク債の発行が急増した。これは、KKR、Blackstone、Apolloなどのバイアウト企業が、クレジット市場から資金を調達して、今年のバイアウトの総額が約1.1兆ドルに達したことによるもの。