中国、経済再生のカギとしてテクノロジー業界に再び焦点を当てる

中国政府は、インターネット業界に対する厳しい取り締まりから一転して支援の姿勢を強調している。中国経済がバブル崩壊後の日本のような状態に直面し、習近平政権は経済浮揚のためにテクノロジー企業を必要としているようだ。

中国、経済再生のカギとしてテクノロジー業界に再び焦点を当てる
2023年7月6日木曜日、中国・上海で開催される世界人工知能カンファレンス(WAIC)におけるテンセント・ホールディングスとアリババ・グループ・ホールディングスの看板。写真家:Qilai Shen/Bloomberg

中国政府は、インターネット業界に対する厳しい取り締まりから一転して支援の姿勢を強調している。中国経済がバブル崩壊後の日本のような状態に直面し、習近平政権は経済浮揚のためにテクノロジー企業を必要としているようだ。


先週、中国共産党中央政治局は中国のインターネット企業への新たな支援を約束し、彼らの「健全で持続可能な」発展を促進することを約束した。

これは、北京が先週発表した、中国の民間セクターを支援するための31項目の行動計画に続くものだ。これはビジネス環境を改善し、民間企業を国営企業と同等に扱うことを約束した。その施策には、企業の資金調達努力の緩和や海外進出の支援などが含まれる。

これを受けて、普段は目立たないようにしているテンセント創業者のポニー・マーは、新たな政策の方向性を歓迎する長い論説を国営メディアに発表した。スマートフォンメーカー、シャオミの雷軍(レイ・ジュン)最高経営責任者(CEO)は、企業が「質の高い発展」を推し進め、科学技術の現代化に貢献するための「明確な政策シグナル」だと述べた

いわくつきの人物が「能力主義」で登用される

アリババでは、驚きの人事が実行された。7月21日に発表された年次報告書によると、アリババはグローバルeコマース事業の最高経営責任者(CEO)である蒋凡を、董事会の指名権を与えるパートナーシップに起用した。

蒋凡は不倫疑惑で2020年4月にアリババのパートナーシップの座を失っていた。彼はジャック・マーの有力な後継者候補だったが、この一件でそのチケットを失ったと考えられていた。

この騒動は、後のジャック・マーとアリババの取り締まりの重要な「前奏」となったと考えられている。アリババは、不倫スキャンダルのさなか、蒋凡の妻が行った不倫相手のインフルエンサーの女性を非難する微博(ウェイボー)の投稿の拡散を人為的に止めたとされる。この行いは、共産党の情報統制を軽々と超越したことを意味し、北京ではマーのメディア支配への懸念と不快感が急速に高まったようだ。

多くのメディアビジネスを所有し、オンライン情報空間に強い影響力を持つのは、筆頭株主だったソフトバンクグループ(SBG)と瓜二つの企業構造である。最終的に一連の弾圧の中で、共産党がマーのメディア王国への支配を壊すことで決着した(同様にアントグループの金融事業への支配も失われ、アリババは解体されることが決まった)。SBGは直近の決算で、アリババの持ち株を先渡取引で売ったことを明らかにしている。

「いわくつき」の蒋凡のアリババ中枢への復帰は、マーという習近平国家主席の政敵とつながりを持ち、日本の孫正義ともつながりを持ち、会社の本丸をオフショアに置くことで規制をかわし、公の場で習近平体制に挑戦しうる言動を取った人物の排除と、その人物が支配するアリババ、アントグループ、メディア群の「無力化」が完遂されたことを物語るものだ。

今回の人事は、蒋凡の起業家というよりもテクノクラートとしての力を活用する動きで、一種の能力主義と言えるだろう。昨秋、中国共産党大会で前指導者・胡錦濤を退席させたときとは、政権のやり方が変わりつつあるように見える。

能力主義的な傾向は、先週発表された中国人民銀行(中央銀行)総裁への潘功勝の起用にもみられる。1990年代以降、人民銀総裁任命時に党中央委員でなかったのは潘功勝が初めてだった。習近平が自身に忠誠を誓う信頼できる人物をこの役職にあてるという見方が裏切られた。アジアソサエティー政策研究所の中国分析センターで中国政治を研究するニール・トーマスは、ブルームバーグに対して、景気失速を受け習近平は最近「忠誠心よりも専門知識を優先」している、と語っている。

インターネット業界の取り締まり解除観測には、5カ年計画に基づく科学技術開発の路線変更が関係している可能性も否定できない。北京は、ネット業界のイノベーションが一巡したと考え、優位に立っているEV、再エネを中心に新たな科学技術領域に力点を切り替え、大量のユニコーンを育てていた。しかし、昨今のAIブームによって、テクノロジー業界には今後も巨大な伸び代があると考えを改めたのかもしれない。

中国のベンチャー投資はネットからハードテックへ移行
投資データベースPreqinのデータによると、ベンチャー投資家は、2021年に中国の5,300社以上の新興企業に1,290億ドル(14兆7,800億円)を投入し、前回の記録である2018年の約1,150億ドルを上回った。

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新たなスエズ危機に直面する米海軍[英エコノミスト]

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世界が繁栄するためには、船が港に到着しなければならない。マラッカ海峡やパナマ運河のような狭い航路を通過するとき、船舶は最も脆弱になる。そのため、スエズ運河への唯一の南側航路である紅海で最近急増している船舶への攻撃は、世界貿易にとって重大な脅威となっている。イランに支援されたイエメンの過激派フーシ派は、表向きはパレスチナ人を支援するために、35カ国以上につながる船舶に向けて100機以上の無人機やミサイルを発射した。彼らのキャンペーンは、黒海から南シナ海まですでに危険にさらされている航行の自由の原則に対する冒涜である。アメリカとその同盟国は、中東での紛争をエスカレートさせることなく、この問題にしっかりと対処しなければならない。 世界のコンテナ輸送量の20%、海上貿易の10%、海上ガスと石油の8~10%が紅海とスエズルートを通過している。数週間の騒乱の後、世界の5大コンテナ船会社のうち4社が紅海とスエズ航路の航海を停止し、BPは石油の出荷を一時停止した。十分な供給があるため、エネルギー価格への影響は軽微である。しかし、コンテナ会社の株価は、投資家が輸送能力の縮小を予想している

By エコノミスト(英国)
新型ジェットエンジンが超音速飛行を復活させる可能性[英エコノミスト]

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1960年代以来、世界中のエンジニアが回転デトネーションエンジン(RDE)と呼ばれる新しいタイプのジェット機を研究してきたが、実験段階を超えることはなかった。世界最大のジェットエンジン製造会社のひとつであるジー・エアロスペースは最近、実用版を開発中であると発表した。今年初め、米国の国防高等研究計画局は、同じく大手航空宇宙グループであるRTX傘下のレイセオンに対し、ガンビットと呼ばれるRDEを開発するために2900万ドルの契約を結んだ。 両エンジンはミサイルの推進に使用され、ロケットや既存のジェットエンジンなど、現在の推進システムの航続距離や速度の限界を克服する。しかし、もし両社が実用化に成功すれば、超音速飛行を復活させる可能性も含め、RDEは航空分野でより幅広い役割を果たすことになるかもしれない。 中央フロリダ大学の先端航空宇宙エンジンの専門家であるカリーム・アーメッドは、RDEとは「火を制御された爆発に置き換える」ものだと説明する。専門用語で言えば、ジェットエンジンは酸素と燃料の燃焼に依存しており、これは科学者が消炎と呼ぶ亜音速の反応だからだ。それに比べてデトネーシ

By エコノミスト(英国)
ビッグテックと地政学がインターネットを作り変える[英エコノミスト]

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今月初め、イギリス、エストニア、フィンランドの海軍がバルト海で合同演習を行った際、その目的は戦闘技術を磨くことではなかった。その代わり、海底のガスやデータのパイプラインを妨害行為から守るための訓練が行われた。今回の訓練は、10月に同海域の海底ケーブルが破損した事件を受けたものだ。フィンランド大統領のサウリ・ニーニストは、このいたずらの原因とされた中国船が海底にいかりを引きずった事故について、「意図的なのか、それとも極めて稚拙な技術の結果なのか」と疑問を呈した。 海底ケーブルはかつて、インターネットの退屈な配管と見なされていた。現在、アマゾン、グーグル、メタ、マイクロソフトといったデータ経済の巨人たちは、中国と米国の緊張が世界のデジタルインフラを分断する危険性をはらんでいるにもかかわらず、データの流れをよりコントロールすることを主張している。その結果、海底ケーブルは貴重な経済的・戦略的資産へと変貌を遂げようとしている。 海底データパイプは、大陸間インターネットトラフィックのほぼ99%を運んでいる。調査会社TeleGeographyによると、現在550本の海底ケーブルが活動

By エコノミスト(英国)